カンバン方式とは?広告制作にも活かせるタスク管理術

「今どこまで進んでいるんだっけ?」
「あの案件、止まってないかな…」
広告制作の現場で、こういった不安を感じたことはありませんか?

特に小規模なチームでは、1人が複数案件を抱えていたり、進行管理の専任がいなかったりするため、ちょっとした“行き違い”が全体の遅延につながってしまうこともあると思います。

そんな時に役立つのが「カンバン方式」と呼ばれるタスク管理の考え方です。
今回はこのタスク管理の手法について、基本から広告制作現場での活用方法についてまとめます。


カンバン方式とは?
タスクの“見える化”で進行をスムーズに

カンバン方式は、もともとトヨタの生産管理から生まれた仕組みで、名前の通り、作業工程を「看板(カンバン)」のように視覚化し、今どこに何の作業があるのかをひと目で把握できるのが特徴です。

基本は、タスクを以下の3つのステータスに分類して管理します。

  • To Do(やるべき)
  • Doing(進行中)
  • Done(完了)

タスクを書いたカード(付箋やデジタルカード)を列に沿って移動させることで、誰がどの作業をどこまで進めているかが明確になります。


広告制作での使い方:
フローが見えるだけで、止まらない

カンバン方式は、広告制作のように複数の工程を経る仕事と相性抜群です。

たとえば、以下のような制作フローがあったとします。

  1. クライアントからの依頼
  2. 企画・構成の立案
  3. デザイン制作
  4. コピー・原稿作成
  5. 校正・修正
  6. 入稿・納品

これらの工程をカンバン上に並べておくと、「今どの案件が“デザインで止まっている”のか」がすぐにわかります。

進捗報告のためのミーティングやメールのやり取りが激減し、チームメンバー同士が自律的に動きやすくなるのが大きなメリットだと言われています。


おすすめのカンバンツール3選

現在は、無料で使えるシンプルなカンバンツールが多数登場しています。

■ Trello(トレロ)

  • シンプルな操作で、ドラッグ&ドロップでカード移動
  • チーム共有・コメント機能も充実
  • 広告制作チームの導入例も多数

引用:https://trello.com/ja


■ Asana(アサナ)

  • タスクのカンバン表示とガントチャート表示が切り替え可能
  • 締切管理や通知機能が強力
  • 担当者のリソース管理にも便利

引用:https://asana.com/ja


■ Notion(ノーション)

  • 情報整理とタスク管理が同時にできる万能型
  • 制作の進捗とヒアリングメモを一括管理できるのが魅力

まずは無料プランから始めて、自社に合うスタイルを見つけるのがオススメです。

引用:https://www.notion.com/ja


導入時の注意点:
タスクの“粒度”と“習慣化”がカギ

便利なカンバン方式ですが、ただツールを使うだけでは効果は出ません。

特に意識したいのは次の2点です。

  • タスクの大きさを揃える
     たとえば「入稿作業」と「メール確認」ではタスクの粒度が大きく異なりますので、1日〜数時間で終わる“作業単位”でカードを分けましょう。
  • 止まったカードに気づける仕組みをつくる
     週に1回はボード全体を見直す時間を設けると、遅延の兆候が見つけやすくなり、小さな「詰まり」を早期に解消することで、大きなトラブルを防げます。

カンバン方式は、チームの力を最大限に引き出す“シンプルで強力な仕組み”ですので、ツールの導入も効果的ですが、ホワイトボードや付箋から始めるだけで十分効果があると考えています。