動画は、視覚的なインパクトで人を引きつける力を持っています。
SNSやWebサイト、広告、採用ページなど、あらゆる場所で動画が活用されるようになった今、ただ「きれい」「かっこいい」だけの映像では差別化が難しくなっていると感じます。
私たち制作会社が日々の仕事を通じて強く感じているのは、「見せる」だけではなく「伝える」動画が求められている ということ。では、「伝わる動画」とはどんなものでしょうか?
今回は、ストーリー構築と演出の視点から、そのポイントを解説していきます。

「何を伝えたいのか」を明確にする
動画を制作する際に、最も大切なのは「何を伝えたいのか」という軸をしっかり決めること。これが曖昧だと、いくら映像が美しくても「で、何を伝えたかったの?」と見終わった後に疑問が残ってしまいます。
- 商品やサービスの魅力をストレートに伝える
- ブランドの価値観やビジョンを届ける
- 問い合わせや来店など、具体的なアクションを促す
このように、動画のゴールをあらかじめ整理することで、コンテンツ全体の方向性がぶれにくくなります。
お客様と制作チームで「この動画で何を叶えたいのか」を共有することが、最初のステップとしてとても大切です。

ストーリーを構築する
「ストーリー」と聞くと、長編映画のような大がかりな物語を思い浮かべるかもしれませんが、短い広告動画にも「小さな物語」が必要で、ストーリーがあることで、視聴者が自然と引き込まれ、最後まで見てもらいやすくなります。
動画の基本的な構成は以下のように考えています。
1. 導入(Attention)
視聴者の目を引くために、冒頭で「何の動画か」「どんなメリットがあるのか」を一瞬で伝えます。
ここが弱いと、すぐにスワイプされてしまう恐れがあります。
2. 展開(Interest & Desire)
サービスの特徴、課題解決のアプローチ、ブランドのストーリーなどを展開。
共感を呼ぶストーリーや実際の事例、数字データなどを交えることで、信頼感や期待感を高めます。
3. 結末(Action)
最後には「問い合わせ」「詳細を見る」「購入する」など、具体的なアクションを促すメッセージを盛り込み、ポイントとしては「なるほど、試してみたい」と思ってもらえることが必要です。

視覚と音の演出を組み合わせる
「伝える」ためには、演出がとても重要で、映像美やBGM、ナレーション、テロップなど、細部の演出で動画の印象は大きく変わります。
- BGM:ポップで軽快な音楽は親しみやすさを、ゆったりとした音楽は安心感や信頼感を演出します。
- テロップ:重要なポイントを文字で補うことで、情報の定着率が上がります。
- 色使い:ブランドカラーを適切に取り入れると、統一感と記憶への残りやすさが向上します。
また、話すスピードやテンポ、映像の切り替えの速さなども、視聴者の感情に影響を与える要素です。

事例やお客様の声を入れる
動画にお客様の体験談や事例を入れると、よりリアルで信頼性が増しますので、実際の利用者の声を短く紹介するだけでも、「これなら自分も試してみたい」と感じてもらいやすくなります。
たとえば、
- 実際に商品を使っている様子
- スタッフインタビュー
- 開発の裏側を見せる映像
など、「人」の存在が見えるだけで、グッと身近な印象になります。

まとめ:「見せる」から「伝える」へ
動画は単なるビジュアル表現にとどまらず、企業の想いやサービスの本質を届ける大切なコミュニケーションツールです。
「見せる」だけでは一瞬の印象で終わってしまいますが、「伝える」を意識することで、視聴者の心に残り、行動につながる力を持つようになります。
このように制作会社では、お客様と一緒に「何を伝えたいのか」を深く掘り下げ、ストーリーと演出を丁寧に組み立てることを大切にしています。