“共感”で選ばれる時代へ。企業ストーリーの力と活用法

広告や広報の現場では、「わかりやすさ」「目立つこと」が重視されがち。
ですが、それだけでは読み手の心に長く残りにくいと感じることもあります。

私たち制作会社でも、デザインやコピーを提案する中で強く感じるのは「ストーリーの力」
企業が大切にしてきた歴史や、サービスに込めた想いを物語として伝えることで、単なる商品情報以上の価値を届けることができます。

今回は、コンテンツに「ストーリー」を盛り込む意義や、その効果についてご紹介します。


なぜ「ストーリー」が重要なのか

人は情報をただ受け取るより、「物語」として受け取ったときに、より深く共感し、記憶に残しやすいと言われています。

たとえば、同じ商品でも「最新技術を使っています」という説明よりも、「創業者が10年間試行錯誤を重ね、ようやくたどり着いた技術です」と聞いたほうが、魅力的に感じませんか?

これは、背景にある「人の想い」が伝わることで、その商品やサービスが「自分ごと」として感じられるようになるからです。


どんなストーリーを盛り込むのか

ストーリーといっても、難しく考える必要はありません。以下のような内容が、読み手にとっての共感ポイントになります。

  • 創業のきっかけや想い
    「なぜこの事業を始めたのか」「どんな問題を解決したかったのか」など
  • 失敗や苦労のエピソード
    試行錯誤を重ねた話は、人間らしさが感じられ、より親近感を持たれやすいです。
  • 成長や進化の過程
    新商品が生まれるまでの開発背景や改良の過程など

これらを文章や映像に盛り込むだけで、商品の「性能」や「特徴」ではなく、「存在意義」が伝わるコンテンツになります。


読み手が「自分ごと」として
感じられる工夫

ストーリーには、企業の思いや歴史、理念を伝える力がありますが、一方的に伝えるだけでは「いい話だったね」で終わってしまうこともあります。

そこで大切なのが、読み手に「これは自分のことかもしれない」と感じてもらえる工夫を加えることです。

具体的には、以下のようなポイントを意識しています。

  • 共感できる悩みや課題を盛り込む
    「自分も同じように感じたことがある」と思ってもらえる内容を含めることで、共感が生まれやすくなります。
  • 日常にあるシーンと結びつける
    たとえば、日々の選択やちょっとした出来事と関連づけると、「自分の生活に関わる話だ」と感じてもらえます。
  • 読み手に問いかける文章を入れる
    「あなたならどう感じますか?」「こんな経験はありませんか?」と問いかけることで、自然と話に引き込むことができます。

こうした視点を取り入れることで、企業のストーリーが「ただ読む話」ではなく、「自分に関わる大切な話」として受け止めてもらいやすくなると考えています。


まとめ:共感は最強の広告

広告やコンテンツを作るとき、つい「何を伝えるか」だけに意識が向きがちですが、その背景にある「なぜ」を共有することで、商品や企業の魅力はより強く、深く伝わります。

私たち制作会社としても、デザインや文章を作るときには、見た目の美しさだけでなく「物語をどう込めるか」を大切にして、共感を呼ぶストーリーは、企業とお客様をつなぐ大きな力になると考えています。