親友のように寄りそえる広告

人生を支える広告デザイン

親友のように寄りそえる広告

2020年5月4日付の日経新聞で、編集委員の石鍋仁美さんという方が書かれていた連載の記事なのですが、とてもわかりやすく、響くものがあってとても印象に残りました。

このコロナ禍の中で、考えさせられた内容でしたので、このブログを読んでいただきたい会社の広告宣伝部門ご担当者(企画室、企画開発部、マーケティング部、宣伝部、広報部、販売促進部、等)や、店舗や飲食店の経営者の方々へも参考になると思い、書いてみました。

変化を加速させるもの

上から見下ろすものでも、へりくだるものでもなく、互いに尊敬して支え合いながら、それぞれの価値を向上させるといった未来が想像される。

コロナでビジネスのあり方が変わり、お客さまの関係も例外ではないとこのように書かれていました。

アメリカの広告会社で、世界で10番目に大きな広告代理店のYoung & Rubicam(ヤング アンド ルビカム)が、「リーマンと格差が消費者の価値観をどのように変化させたのか」を調査したところ、下記の結果になったようです。

親友のように寄り添って、人生を支える企業や商品を欲している。

先進国共通の現象のようで、コロナが、この変化を加速させてもおかしくなく、今回のように、あらゆる環境を大きく変える出来事があったときには、「続ける」「やめる」「始める」3つを並行して考えることが大事と書かれていました。


危機とは

最後には、いままでのことを見直して、お店や企業のお客さまと、新しい関係性を築いていくことが重要で、「危機は点検と変革の契機」と締めくくられていました。

この記事を読んで、いままで私が思っていたことは、ちゃんと考えていたつもりだったけど、実はまだぼんやりしているなと、あらためて考えさせられました。


より消費者の心に届ける広告

まず、「親友のように寄り添って、人生を支える企業や商品を欲している。」ですが、お仕事のご依頼を受けるときには、その企業とその先の顧客のことをしっかり考えて、グラフィックデザインやWebサイト等広告全般に落とし込んで制作を進めています。

でもこの記事を読むと、表には出さなくとも、もっと自分の懐の中で考えというか、想いと念いを少しずつはっきりとさせていくことが重要だと感じました。


広告の存在を人生の一部に

広告は人間が生きるために必要なものではありませんが、私が長年この業界に携わってきた経験があるため、人生の一部になるようにと思いたい気持ちもあります。


広告の課題となる内容

広告の課題となる内容に「打ち明けられる悩み」と「打ち明けられない悩み」があり、その隠された悩みの部分を、いかに自然に紐解いて、正確に表現することが必要なのではないか。


想定される顧客層を考えるとき

想定される顧客層を考えるときに、依頼内容を形にしていくうえで、こうなってほしいとゴールを考えますが、そのゴールはひとつでは無く複数あったり、ゴールにしないことがスタートとなり、複数のゴールが見えてくるのではないか。


目に見えない表現、考え方を仕組みとして広告に表現

広告は目に見えるアウトプットがあってこそという考え方はもう古くなり、目に見えない表現、考え方を仕組みとして広告に表すことがもっとできるのではないか。


短期的な商品や店舗を認知させる広告

短期的な商品や店舗を認知させる広告は、最終的には資源や費用のムダで、長期的にサイクルを考えるように切り替えていく必要があるとした場合、広告を俯瞰して長期的に物事を捉えられる仕組みが必要なのではないか。


常に寄り添えられる広告のデザイン

常に寄り添えられるように、広告としてのデザインが人間にとって必要なものとして捉えられるように、生み出さなければならないのではないか。


明確な言葉ではなく、ぼんやりした気持ちですが、大きな考え方、捉え方として考えながら広告と向き合いたいと思っています。

以前に記事にした「これからの広告」で紹介した、カンヌライオンズのトレンドとしても共通するところがありますので、時代の流れはこれから消費的な広告は少なくなってくると思います。


続ける、やめる、始める

あと3つを並行して考えることとあった、「続ける」「やめる」「始める」です。

大きな変換が求められる、このコロナを機に、この3つの考えることの重要性がとても増していると考えています。

実際にいまお受けしている依頼案件でも、早々に手を打って動いている企業は、土日関係無く、毎日のように話をして進めています。

逆に、政治的な理由や、業界の動きとして、先が見えなさすぎて、早く手を打つことができないところもあります。

広告を手がけている制作会社側は、お客さまに向けて、提案の余地があれば、できる限り一緒に考え、行動し、実践していきたいと常に準備している会社でありたいと思っているところが、依頼者と制作会社との良好な関係、売り上げを築くことができると考えています。


徹底して見直してみる

企業は、このコロナを乗り切る時期に、いろいろと考えを模索しながら、手を打つことをしっかり考えて、これから形にしていくと思います。

企業ですと、数人でコミニュケーションをとりながらやると、さらに展開がひろがって柔軟に展開できる可能性や選択肢が増えて、確度も高まってきます。

個人でされている店舗や飲食店は、フレキシブルに動けてアイデアも形にしやすいので、「続ける」「やめる」「始める」を軸に見直してみると、コロナ後の展開が劇的に変わる可能性が大きくなるかもしれません。


深掘りしていくことで見えてくる

考え方として、「続けていたことをやめる」「やめていたことを始める」だけではなく、

  • 始めたことをさらに大きく展開して続ける
  • 続けていたことを違う切り口で始める
  • 始めたことをやめたけどまた始めなおす
  • 始めることやめること、続けることを違う対象にもあてはめる

というように、さらに掘り下げていくことも大切かなと思います。