「最近、検索からのアクセスが減った気がする」
そんな違和感を抱えている方も、きっと少なくないはずです。
Googleで上位表示されているはずなのに、なぜか自社サイトへの訪問者が増えない。
その背景には、今注目されている「ゼロクリック検索」という現象があるかもしれません。
ゼロクリック検索とは、ユーザーが検索結果ページ上で必要な情報を得てしまい、どのサイトにもアクセスしないまま完結してしまう検索行動のことを指します。
実は今、この「クリックされない検索」が大きく増えてきており、Web集客のあり方にも変化をもたらしていると言われています。
今回は、ゼロクリック検索の基本的な仕組みから、なぜそうした行動が起きているのか、そして小規模なビジネスでも実践できる対応策についてまとめてみたいと思います。

ゼロクリック検索って、どういう意味?
ゼロクリック検索(Zero-Click Search) とは、
ユーザーが検索しても、どのサイトにもクリックせずに完結してしまう検索行動のことを指します。
たとえばこんな経験、ありませんか?
- 「今日の天気」と検索 → Googleの画面に天気が表示される → 終了
- 「大阪 営業時間 美術館」と検索 → 地図や営業時間がすでに出ている → サイトに行かずそのまま来館
- 「〇〇とは?」と調べたら、答えが検索結果の一番上に出ている → クリックせずに満足
このように、Google自体が“答え”を提示してくれるようになったことで、ユーザーがサイトにアクセスする前に“満足”してしまう。
これがゼロクリック検索です。
なぜ、ゼロクリック検索が増えているのか?
1. スマホで「早く答えを知りたい」人が増えた
検索ユーザーの多くがスマートフォンからアクセスしています。
その場ですぐ答えを知りたいユーザーにとっては、サイトに飛ぶ手間さえストレスになることもあります。
2. Googleが“答え”を表示するようになった
Googleは非常に便利な仕組みを持っていて、質問に対して直接答えを出してくれる「強調スニペット」「ナレッジパネル」「ローカルパック」などの機能が増えたことで、ユーザーが他のサイトに行かなくても満足できる設計になっています。
3. AI検索(SGE)の登場
2024年から本格的にテスト導入されているAIによる検索要約(SGE)は、検索画面にAIが回答をまとめてくれる仕組みです。
「調べる → まとめて読む → 完結」が検索結果ページ内ですべて完了してしまうのです。

クリックされないと困るのは誰?
このゼロクリック検索、ユーザーにとっては便利ですが、困るのは私たち「見てもらいたい側」です。
- 検索してもらっても、Webサイトに来てもらえない
- ブログ記事が読まれず、商品の魅力も伝わらない
- アクセス数が減る → コンバージョンも減る
つまり、せっかく上位表示されていても、成果につながらないというジレンマが生まれます。
「クリックされなくても成果につなげる」
方法はある
「クリックされないなら意味がない」と諦めるのは早いです。
実は、ゼロクリック時代でも成果を出している企業はちゃんと存在します。
その秘密は、検索結果ページそのものを“集客チャネル”として活用しているという点にあります。
実例1:FAQを最適化し、
スニペットで“信頼感”を演出
ある小さなIT企業では、自社のよくある質問(FAQ)を構造化データで整理。
その結果、Google検索で「〇〇とは?」と検索したユーザーに、自社サイトの一文が表示されるようになりました。
クリックされなくても、「〇〇といえばこの会社なんだな」とブランド想起が生まれ、後日の問い合わせにつながったそうです。
実例2:Googleビジネスプロフィールを整備して
“その場CV(コンバージョン)”へ
とある個人サロンでは、Googleビジネスプロフィールを充実させ、店舗名+地域名での検索で上位表示を実現。
ユーザーはWebサイトにアクセスせず、検索結果上の電話ボタンから直接予約してくれたとのこと。
「サイトに来ない=ダメ」ではなく、検索結果上で行動してくれればOKという視点の転換です。
小さな会社でもできる
“ゼロクリック対策”4選
ここからは、予算や時間が限られている小規模ビジネスでも実践できる対策を紹介します。
1. FAQや用語解説に力を入れる
自社サイトに「〇〇とは?」「よくある質問」のページを設けて、
構造化データ(FAQスキーマ)をマークアップすることで、Googleに拾われやすくなると言われています。
2. Googleビジネスプロフィールを磨く
店舗やサービス業なら、まずはプロフィールの写真・営業時間・口コミ返信を丁寧に整備。
ローカル検索で“クリックなしCV”を目指します。
3. スニペット狙いの書き方を意識
文章の冒頭でズバッと答える構成にすることで、強調スニペットに抜粋されやすくなります。
「〇〇とは?→ 結論→ 補足説明」がおすすめの順番です。
4. 指名検索を増やす工夫をしよう
ブログやSNSで「社名」「商品名」を意識的に発信していくことで、
ユーザーが後日「〇〇 会社名」で検索→ブランド指名流入を得られることもあります。

ゼロクリック検索の時代は、ある意味で「Google内マーケティング」とも言えるかもしれません。
従来の「クリックしてもらってからが勝負」ではなく、
これからは「検索結果で“印象に残る”ことが勝負」という考え方が必要です。
小さな会社でも、工夫次第でクリックされなくても選ばれるチャンスがあると考えています。
参考記事
・https://blog.theshare.info/glossary/zeroclick/
・https://assist-all.co.jp/column/hp/20250504-4366/