信頼感のあるWebデザインを考える

多くの人々が情報収集やサービス利用のために、事業者のWebサイトを訪れます。
顧客との初対面であるWebサイトは、顧客にどのような印象を与えるかの重要な要素です。


しかし、デジタル技術の発展に伴い、情報の真偽を見極めることが一層困難になり、フェイクニュースや詐欺サイトのニュースを見ることも多くなってきました。
現代では、Webサイトの訪問者に信頼感を与えることは、選択肢ではなく必須の要件となってると思います。


今回は「信頼感のあるWebデザイン」について再考し、まとめてみたいと思います。


視覚的な情報の作用と重要性

人間は情報を受け取る際、視覚から得る情報が最も大きな割合を占めており、特に初対面の印象は視覚による情報で大きく左右されると言われています。
ここでは、信頼感を感じさせるデザインを考える上で、視覚的な情報が我々の脳にどのように作用するかをまとめてみます。

色彩の心理学

色は感情や行動に大きな影響を与える力を持っています。
たとえば、青色は安心感や信頼感を喚起し、黄色は注意を引く色として知られています。
これらの色彩心理学は、ブランドイメージを構築する上で欠かせない要素であり、ユーザーがWebサイトに抱く感情に関わります。

フォントと感情

フォント選びもまた、サイトの印象に大きな影響を与えます。
例えば、セリフ体は伝統的で信頼性が高いという印象を与えるのに対し、サンセリフ体はモダンでアクセスしやすいという印象をユーザーに与えます。
フォントの微妙な違いは、サイト全体のトーンやメッセージの受け取り方を左右します。

セリフ体
サンセリフ体

レイアウトと認知

レイアウトは情報の処理方法に直接影響を与えます。
整理された情報、クリアなナビゲーション、適切な情報の階層化は、ユーザーがサイトを理解しやすくするだけでなく、プロフェッショナルで信頼できるという印象を与えます。
逆に、混乱したレイアウトや雑然とした情報は、不信感や不安を生み出す可能性があります。


デザインの各要素は、ユーザーの心理に微妙な影響を及ぼし、結果的にサイト全体の信頼感を形成する重要な役割を果たします。


色使いによる信頼感の構築

Webサイトの色使いは、訪問者に与える印象を大きく左右します。

色の心理的影響

・青:信頼感のあるブルー

青色は一般的に安心感、信頼性、穏やかさを象徴します。
多くの金融機関やテクノロジー企業が青をブランドカラーとして選ぶのは、この色が持つ信頼感の高さにあります。

色使いの事例:
「サイボウズOffice」のWebサイトは、メインカラーとして落ち着いたブルーを採用し、安定感と信頼性をアピールしています。
サブカラーにはホワイトやグレーを使い、清潔感と専門性を強調しています。

https://office.cybozu.co.jp/より引用


・緑:安心、安全をイメージすることができるグリーン

緑色は成長、安定、健康を示唆し、環境関連の企業や健康・ウェルネス業界で好まれます

色使いの事例:
「厚沢部町認定こども園」のWebサイトでは大自然をイメージしたグリーンを基調とし、のびのびとした環境をイメージすることができます。

https://hazeruassabu.com/より引用


・オレンジ:活動的

オレンジは活力と創造性を表し、コールトゥアクション(CTA)ボタンなどに使われることも多く、行動を促す効果があります。
※CTAボタンとは、Webサイト上でクリックを促し、行動へと導くためのボタンのことです。

色使いの事例:
「フィットネスクラブ・ティップネス」のWebサイトは、オレンジをアクセントカラーとして使用し、活力と楽しさを前面に出しています。

https://tip.tipness.co.jp/shop_info/SHP076/より引用


・青:信頼感のあるブルー

サイト全体で統一されたカラーパレットを使用することで、専門性と整合性を演出し、ユーザーに安心感を提供します。
例えば、メインカラー、サブカラー、アクセントカラーを定義し、それぞれの役割に応じて一貫性を持たせることが重要です。

アクセントから―の例:https://ironodata.info/から引用

色使いはWebデザインにおいて非常に強力なツールとなります。
自社のブランドイメージやメッセージに合った色を選び、一貫性を持たせることで、訪問者に対する信頼感を高めることができます。


・緑:安心、安全をイメージすることができるグリーン

Webサイトにおけるコンテンツとは、ユーザーが見たり、読んだり、聞いたり、または体験することができる全ての情報やメディアのことです。
このコンテンツにはテキスト、画像、ビデオ、オーディオ、インタラクティブな要素などが含まれます。
オリジナルコンテンツは、その独自性と品質で、訪問者に強い印象を与え、信頼感を構築することができます。

・オレンジ:活動的

オリジナルのコンテンツを提供することは、ユーザーに対して専門知識と独自の視点を持っていることを示し、その結果、信頼性を高めます。
独自の画像、ビデオ、記事、インフォグラフィックなどは、ブランドの個性を際立たせ、他社との差別化を図ることができます。


色の統一性

フリー素材は容易にアクセスでき、コスト効率も良い選択肢ですが、独自性に欠け、他の多くのサイトと同様の見た目になるリスクがあります。
これは、ブランドの印象を希薄化させ、ユーザーに与える信頼感を低下させる可能性もあります。

企業例:不動産サイトSUUMO
「SUUMOタウン」は不動産サイトSUUMOの一部です。
住み替えを検討している人々に街のリアルな情報を提供し、街とユーザーの出会いの機会を創出することを目的としています。
実際にその町に住んでいるライターや、主観的なエッセイ風の記事を通じて街の雰囲気を伝えるコンテンツを提供しています。
これにより、ユーザーは街の真の雰囲気を感じ取ることができるとして多くの人々から支持されています。

https://suumo.jp/town/より引用


オリジナルコンテンツは、訪問者に対して価値ある情報や独自の視点を提供する意欲があることを示します。
これは、長期的な信頼関係の構築に不可欠な要素です。


オリジナルコンテンツの重要性

Webサイト上で、ユーザーが求める情報をすぐに見つけることができない場合、フラストレーションが生じ、サイトを離れてしまう原因となります。
重要な情報は直感的にアクセスしやすい位置に配置することが大切です。

オリジナルコンテンツと信頼性

  • 見やすい順序
    重要な情報は目立つように配置することが大切です。
    これはビジュアルヒエラルキーと呼ばれる原則です。
    これにより、訪問者はサイトを見やすく感じます。
    レイアウトには、ビジュアルヒエラルキーを用いて、どの情報が最も重要かを視覚的に示すべきです。
    これにより、ユーザーは直感的に情報を優先順位に従って処理できます。
  • ナビゲーションの明確に
    メニューやリンクはわかりやすくし、訪問者が探している情報へ素早くたどり着けるラベリングと一貫した配置にすることが大切です。
  • 誰もが使いやすく
    すべてのユーザーが情報にアクセスできるよう、アクセシビリティのガイドラインに従った設計が求められます。

※アクセシビリティとは「近づきやすさ」「利用しやすさ」を指します。誰もが平等に利用しやすい状態を示し、高齢者や障がい者を含むすべての人がサービスや製品を利用できる状態です。


​​情報を適切な場所に配置することは、訪問者がサイトを使いやすく感じさせ、信頼感を築くのに役立ちます。
訪問者が探している情報を簡単に見つけられるようにすることで、彼らのサイト滞在時間が長くなり、興味を持ってもらいやすくなります。


フリー素材との比較

ウェブサイトに第三者の意見やレビューを掲載することは、信頼性を高めます。

重要な情報をユーザーが見つけやすい位置に記載する

  • 信頼の構築
    客観的な第三者の声は、訪問者に対してあなたのウェブサイトやサービスが信頼できるものであることを証明します。
  • 具体的な証拠
    レビューや推薦は、提供しているサービスや製品が実際に人々の問題を解決していることの具体的な証拠となります。

情報配置の原則

  • オープンで真実味のあるレビュー
    提供するレビューは真実であり、操作や偽装がないことが重要です。
  • 多様な声の紹介
    様々な背景を持つ人々からのレビューを紹介することで、より幅広い訪問者に共感を得られます。

第三者の意見がウェブサイトの信頼性に与える影響

  • 製品レビュー
    ある電子機器の販売サイトでは、購入者からの詳細なレビューと評価を掲載し、新規訪問者の購入意欲を高めています。
  • エキスパートの推薦
    別の事例では、業界の専門家による推薦文を掲載することで、そのサービスの信頼性と専門性を強調しています。

第三者の意見を適切に取り入れることは、ウェブサイトに信頼性と説得力をもたらし、訪問者の心を動かす強力なツールとなりえます。


第三者の意見を取り入れるメリット

ウェブサイトを最新の状態に保つことは、訪問者にとって非常に重要です。古い情報や機能しないリンクがあると、信頼の低下につながります。

第三者の意見を取り入れる際のポイント

  • 最新情報の提供
    定期的な更新は、訪問者に最新の情報を提供し、業界内での現在の動向に対する認識を示します。
  • 機能性の維持
    技術的なメンテナンスは、ウェブサイトがスムーズに機能し、訪問者は快適にサイトを利用できます。

第三者の意見を取り入れる例

  • ブログの更新
    ある企業は、業界のトレンドやニュースをカバーするブログを持っており、定期的な投稿で訪問者の関心を引きつけています。
  • 技術的な最適化
    別のウェブサイトでは、月に一度のペースでバックエンドのメンテナンスを行い、ロード速度の改善やセキュリティの強化を継続的に行っています。

定期的なメンテナンスと更新は、ウェブサイトが信頼できる情報源であり、訪問者に価値ある体験を提供し続けていることを示すために不可欠です。


「信頼感のあるWebデザイン」について再考し、まとめてみました。
信頼性の高いWebサイトを制作し、定期的に更新していくことは、企業のポジティブなイメージを形成し、顧客のリピート率やポジティブな口コミの促進に影響することがわかります。
信頼できるウェブサイトは、単なる情報源ではなく、企業の評判とビジネス成果に直接影響を与える資産だと感じています。