リテールメディアとは?小規模ビジネスでも始められる活用法と実例について解説

リテールメディアとは、具体的に何のことを指すのかご存知ですか?

最近、広告やマーケティングに関わる場でよく聞くようになったこの言葉。
大手企業の話に思えるかもしれませんが、実は地元の店舗やネットショップなど、小規模なビジネスでも十分活用できるチャンスのある手法だと言われています。

今回は、リテールメディアの基本的な仕組みから、小さな会社でも実践できる事例、そして活用するメリットについてわかりやすくご紹介します。


「リテールメディア」とは何か?

リテールメディアとは、簡単に言えばお店やECサイトが持っている「お客さまとの接点」を広告メディアとして活用する考え方です。

たとえば…

  • 店内のモニターで流す動画広告
  • 店舗アプリのバナー広告
  • ECサイトのおすすめ枠
  • レジ横のPOPやチラシ
  • 会員向けのメールマガジンやLINE配信

これらすべてが、商品やサービスを宣伝する場=メディアになります。

広告を載せる相手が外部企業でも、自社の別の商品でもOKです。
つまり、「自社の持ち物=店舗やサイト」を、情報発信の場として活かすことがリテールメディアなのです。


なぜ今「リテールメディア」が
注目されているの?

数ある広告手法の中で、なぜ今リテールメディアが注目されているのでしょうか。
理由は主に3つあります。

1. 広告の“当てずっぽう”が効かなくなっている

これまでのWeb広告は、ユーザーの行動を追跡するCookieに頼っているケースがほとんどです。
でも最近はプライバシー保護の観点から、その仕組みがどんどん使えなくなってきています。

そこで重要になるのが、お店やサービスが直接持っている顧客データ=ファーストパーティデータになります。
リテールメディアはこのデータを活かして、ピンポイントに「伝えたい人へ情報を届けられる手法」として注目されているのです。


2. 購入直前にアプローチできる

お客さまが「買い物しよう」としているタイミングで広告を届けられるのが、リテールメディアの強みです。

たとえばスーパーで買い物中に、モニターで今日の特売情報が流れると、ついカゴに入れてしまう。
このように、「買う直前の気持ち」に働きかけられるのは、他の広告ではなかなか真似できないと思います。


3. 自社がメディアになる=広告費が抑えられる

これまで広告を出すには「媒体(テレビ・ネット・チラシなど)にお金を払う」のが当たり前でしたが、リテールメディアは、自社の店舗やアプリ、ECサイトなどすでに持っている場を使って広告が打てるので、外部の広告費を抑えることが可能になります。


小規模ビジネスでもできる!
リテールメディアの活用事例

「でもウチは大企業じゃないし、そんなことできるの?」と思った方も安心してください。
ここからは、小さなお店や会社でも実際に行われている、リアルなリテールメディアの活用事例をご紹介します。

■ 地元スーパーのモニター広告

ある地方スーパーでは、店内のモニターで地元の美容室や英会話教室の動画広告を流すという取り組みをしています。

スーパーは広告収入を得られ、美容室は地域のお母さん世代にアプローチでき、“来店客数の多さ”がそのままメディアの価値になる好例だと言えると思います。


■ 美容室のタブレット活用

全国の美容室で導入が進んでいるのが、施術席に設置したタブレットで動画を流すというスタイルです。

ヘアケア商品やスキンケア商品の紹介映像を流すことで、「実際に見て気になったから買ってみたい」というお客様が増えたと言われています。


■ ECサイト内のおすすめスペース

小規模のネットショップでも、トップページのバナー枠や“おすすめ”欄を販促スペースとして活用する事例が増えています。

同じ商品の別バリエーションを紹介したり、新商品の案内を入れたり。
「自社内でできるクロスセル施策」としても効果的です。


リテールメディア活用
3つのステップ

  1. お客様との“接点”を書き出してみる
     店頭やレジ前、アプリ、LINE、メールなど、どんな場面があるか洗い出してみます。
  2. 「伝えたいこと」を整理する
     新商品の告知か人気ランキングかイベント告知など、伝えたいことを整理します。
  3. 1か所から始めてみる
     たとえば「レジ前にPOPを貼る」「アプリのバナーを更新する」だけでも立派なリテールメディア活用になります。

まとめ:「伝える力は
すでにあなたのお店の中にある」

リテールメディアとは、難しい仕掛けや大きな予算が必要な話ではなく、むしろ小規模ビジネスにとってこそ「少ない予算で最大の効果を出す」ための手段のひとつであると考えています。

あなたのお店やサイトには、すでにお客様との接点があり、
それは「ただの場所」ではなく「情報を届けるチャンス」でもあるのです。

広告を買うのではなく、自分たちが持っているものを広告にする。
そんな視点で、自社の販促を見直してみるのも良いのではないかと考えています。


参考記事
・https://contents.digitallab.jp/19635.html
・https://smmlab.jp/article/what-is-retail-media/