小規模ビジネスにも革命をもたらす|イマーシブテクノロジーについて考える

こちらの記事によると「イマーシブ(没入感)」が2024年のマーケティング業界の注目キーワードだそうです。
イマーシブとは「没入感のあるさま、その状態にひたれるさま」を表す言葉で、
特にVRの分野で、リアリティあふれる映像や音響に入り込みその世界に浸る様子などに使われています。
最近では、テーマパーク再生の仕掛け人として知られる、森岡毅氏が率いるマーケティング集団「刀」(大阪市)が発表した
「イマーシブ・フォート東京」というテーマパークの名称にも採用されたことが記憶に新しいと思います。


今回はこの記事をきっかけに、VR(バーチャルリアリティ)やAR(拡張現実)といったイマーシブテクノロジーについて理解を深めてみたいと思います。


ARとVR

そもそもARとVRは何が違うのでしょうか?
まずこの2つの違いについて整理してみます。


まずAR(拡張現実)は、現実の世界にデジタル情報を重ね合わせる技術で、スマートフォンやタブレット、AR専用のメガネを通じて、現実世界の景色にバーチャルのオブジェクトや情報を表示することで表現されます。
例えば、スマートフォンのカメラで現実世界を映し出しながら、その画像の上にバーチャルの情報やオブジェクトを重ねて表示することができます。

ARの応用例としては、「ポケモンGO」が有名です。
その他にも教育分野では、歴史的な建造物や解剖学的なモデルをリアルタイムで見ることができるアプリも注目されています。

一方でVR(仮想現実)は、完全にデジタルで作られた環境にユーザーを没入させる技術を指します。
このデジタル環境は、現実世界を模倣したものであることも、全く新しい架空の世界であることもあります。
ユーザーはVRヘッドセットや専用のゴーグルを装着することで、視覚的にも聴覚的にもこの仮想世界に没入することができます。
これにより、現実世界では不可能な体験を仮想空間内で楽しむことが可能になります。

VRの体験は、単に視覚的なものだけではなく、ハンドトラッカーやモーションコントローラーを用いて、ユーザーの手や身体の動きを仮想環境内で再現することが可能です。
ユーザーは仮想世界内でオブジェクトを操作したり、特定のアクションを実行したりすることができます。

VRのゲーム機としてはPlayStation VRMeta Questが有名です。
VR技術が手術のシミュレーション訓練やリハビリテーションにVRが活用されることもあるそうです。


イマーシブテクノロジーの広告宣伝効果

ARやVRといったイマーシブテクノロジーを用いた宣伝や広告は、
従来のビデオ広告と比較して、ブランド記憶において30%高い効果を示し、また消費者の製品に対する好意度や購買意欲も大幅に向上させるそうです。

ファッション業界ではH&MGUCCIをはじめとして、ARを活用した試着アプリの導入が多くの企業で進んでいます。

参考記事:「Snapchat、H&MとAR体験を中心としたデジタルファッションのコラボレーションを開始|

https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/79990


また複数の自動車メーカーがVRを活用し、顧客が実際に店舗を訪れることなく、新しい車モデルの内部を体験できるようにしています。
ユーザーは自動車の内装を自由に見渡すことができ、さまざまな色や仕様をリアルタイムでカスタマイズして試すことが可能です。

参考:バーチャルギャラリー「NISSAN CROSSING」 | イノベーション

https://www.nissan-global.com/JP/INNOVATION/DESIGN/DESIGNWORKS/VR-CROSSING/

イマーシブテクノロジーは小規模ビジネスでも取り入れられる?

イマーシブテクノロジーは広告・宣伝に非常に効果がありそうですが、
導入コストもかなり大きくなると思います。
しかし最近では、地元密着型の飲食店でARを使用したメニューが登場したり、不動産会社でも遠方から物件の様子がVRで手軽に確認出来たりするそうで、小規模ビジネスでも導入が広がっていると言えそうです。

参考記事:【食×AR】もう注文に迷わない!ARを使ってその場に実物大のメニューが現れる「menuR」がローンチ

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000061739.html

参考記事:今流行りのVR内見・内覧って何?

https://www.toshinjyuken.co.jp/aichi_nagoya/?p=1388

また近年ではARやVRコンテンツの制作に特化したサービスも多く提供されていて、専門的なスキルがなくてもビジネスに導入することができるようになってきています。

ノーコードAR作成サービス「palanAR」が「Meta Quest2」「Meta Quest Pro」に対応!

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000172.000028239.html

今回は、「イマーシブ」という言葉からARやVRなどのイマーシブテクノロジーについてと、小規模ビジネスでの活用について考えてみました。
従来の広告・デザインのノウハウを生かしながら、うまくARやVR等の技術も取り入れていく必要があると感じました。