広告やパンフレット、ロゴを作るときに「今っぽいデザインにしたい」と考える方は多いと思いますが、一方でトレンドを追いすぎると「すぐ古く見えてしまう」リスクもあると考えています。
流行を取り入れるべき場面と、長期的に使えるデザインを優先すべき場面はどう見極めればよいか、今回はそのバランスについて、制作会社の視点から解説します。
流行を取り入れるメリット・デメリット
「流行を取り入れる」と聞くと、なんとなくマイナスのイメージを持ってしまう方もいるかもしれません。
でも実際は、流行をうまく取り入れることでプラスになる場面もたくさんあると考えています。
- メリット
・「今っぽさ」が出て、人の目に留まりやすい
・SNSや広告で話題性を生みやすい
・見る人に「センスがある会社だな」と感じてもらいやすい - デメリット
・デザインの寿命が短く、すぐに古びてしまう
・長期的に使うと「トレンドから取り残されている印象」になる
・ロゴや会社案内など“会社の顔”には不向き
流行は「ここぞ!」という短期間で注目を集めたいときにはとても心強い存在ですが、そのまま長く使うデザインに当てはめてしまうと、時間が経つにつれて古く見えてしまう危険もあります。

長期的に使えるデザインが必要な場面
企業には、長く使い続けることを前提にしたデザインがありますが、代表的なのは次のようなものです。
- ロゴマーク
- コーポレートサイト
- 会社案内や名刺
- 企業理念を伝えるパンフレット
これらは「企業の顔」としての役割を持っていて、一度つくると何年も使われることが多く、だからこそ流行を追うよりも「誰にとっても見やすく、長く親しまれるデザイン」であることが大切になってきます。
たとえば、シンプルな形のロゴや、ベーシックなフォントを使った会社案内は、10年経っても自然に使い続けられるケースが多く、反対にその時だけの流行色を強く打ち出してしまうと、数年後には「ちょっと古い印象」に見えてしまうことも。
長く使うものは「シンプル」「わかりやすい」「普遍的」であることが安心につながると考えていて、こうした考え方を大切にすると、どの時代でも信頼感をもって受け止めてもらえるデザインになると思います。

流行を取り入れて良い場面
一方で「今らしさ」が大切な場面も確かにあります。
- イベントやキャンペーンのポスター
- 季節ごとのセールチラシ
- SNS広告のクリエイティブ
- 特定のターゲット(若者層など)に向けたプロモーション
これらは「期間限定」で使う前提のものが多く、むしろ流行を意識したほうが効果的で、たとえばSNS広告では、フォントや色味を流行に合わせることで「いま注目すべき情報だ」と感じてもらえます。
つまり、「使う期間が限られているもの」や「まずは人の目を引きたいもの」には、流行を取り入れることが大きな力になります。

制作会社の視点から見た
バランスの取り方
制作会社の立場から言うと、流行と普遍性のどちらが良いかは一概には決められません。
大切なのは、 「目的」と「使用期間」をはっきりさせること」 です。
- 会社のロゴや理念を伝えるツール → 長期的視点で普遍性を重視
- 短期イベントやSNS用のクリエイティブ → 流行をうまく取り入れる
流行を取り入れるかどうか迷ったときは、「これは一時的に使うもの? それとも会社の顔として長く残すもの?」と考えてみると答えが見つかりやすいと思います。

まとめ
デザインにおいて「流行を取り入れるかどうか」は、どちらが正解というものではありません。
大切なのは「そのデザインをどのくらいの期間、どんな目的で使うのか」を見極めることだと考えています。
- 流行は「短い期間で注目を集めたいとき」に力を発揮する
- 長く使うものは「シンプルで普遍的なデザイン」が安心
- 目的や使う期間を整理すると、どちらを使えば良いか見えてくる
「今っぽさ」と「長く使える安心感」のどちらか一方だけではなく、状況に合わせて使い分けることで、デザインはより心強い味方になってくれると思っています。