SNSで情報を発信していて、「見てもらえない」「反応が少ない」と感じたことはありませんか?
その原因のひとつに、“売り込み感”があるかもしれません。
いま、ユーザーは日常の中でたくさんの情報に触れていますが、どれだけデザインがきれいでも、「宣伝されている」と感じた瞬間に、心が離れてしまうことがあるように思います。
今回は、SNS運用の現場で気をつけたい「売り込み感をなくす発信のコツ」について、制作会社の視点からお話ししてみたいと思います。

人が“売り込み”に敏感になった背景
SNSが生活の一部になった今、ユーザーは常に何かしらの広告や投稿に触れていますが、一方で、「興味がない情報まで流れてくる」「押しつけられているように感じる」というストレスも増えています。
だからこそ、SNSでは“伝え方”がとても大切。同じ内容でも、「売りたい」という意図が透けて見えると距離を置かれやすくなり、「共感してもらいたい」という姿勢が伝わると受け入れられやすいのです。

“売り込み”と“伝える”の違い
売り込みは、「相手を動かそう」とする発信であり、伝える発信は、「相手に知ってもらおう」とする姿勢。この少しの違いで、発信の印象が大きく変わります。
たとえば、同じ投稿でも次のように伝え方を変えるだけで、受け取る印象がまったく違います。
×「期間限定キャンペーン実施中!今すぐチェック!」
→「このサービスを通じて、こんな悩みが少しでも楽になる方が増えたらうれしいです」
前者は“行動してほしい”を前面に出していますが、後者は“共感をベースにした対話”になっています。
発信を受け取る人は、無意識のうちにこのトーンの差を感じ取っています。
“売り込み感”を減らすための3つの工夫
① 体験を中心にする
商品の説明だけでなく、使ってみた感想や、実際に活用している人の声を取り入れると伝わり方がやわらかくなります。
たとえば、
「お客様の声を紹介します」よりも「私たちも思わずうれしくなった、お客様からのお声をご紹介します」という表現の方が、人の気持ちを感じやすくなります。
② “余白”を残す
すべてを説明しすぎると、読む側が「もう十分」と感じてしまうことがあります。
「なぜ?」や「もっと知りたい」と思ってもらえるように、あえて余白を残すことで、自然な関心を引くことができます。
③ “トーン”をそろえる
写真や言葉のトーンが統一されていると、信頼感が生まれます。
投稿によって言葉遣いや雰囲気がバラバラだと、意図せず“売り込み感”が出てしまうこともあります。
企業アカウントであれば、「あいさつの言葉」や「絵文字の使い方」などをチーム内で共有しておくと安心です。

制作会社として感じること
私たちは、広告やSNS発信の仕事を通して「伝える力は、姿勢で決まる」と感じることが多くあり、どんなに優れたデザインや言葉を使っても、そこに“自分たちの利益”しか見えないと、人の心には届きにくくなります。
逆に、「誰かの役に立てたらうれしい」「知ってもらえたらありがたい」という素直な気持ちは、不思議と画面越しにも伝わるもの。
SNSでは、その“温度”こそが最大の信頼になるのではないでしょうか。
まとめ
人は“売り込まれている”と感じた瞬間に、心を閉ざしてしまうことがありますが、伝える姿勢が誠実であれば、同じ情報でも受け取られ方は変わっていくと思います。
SNS発信で大切なのは、伝えることよりも、感じてもらうこと。
その積み重ねが、共感と信頼を育てていくのではないでしょうか。