「プレゼンの場になると緊張してうまく話せない、自信が持てない」
そんな悩みを抱える方は少なくありません。
私たち制作会社でも、クライアントへの提案や説明の場でプレゼンを行う機会は多く、そのたびに「どうすれば落ち着いて伝えられるか」を試行錯誤してきました。
今回は、プレゼン前の“準備”に焦点をあて、メンタル・内容・シミュレーションという3つの軸から、安心して本番に臨むためのポイントについてご紹介します。

1. メンタルの準備:
不安を“具体化”してコントロールする
プレゼン前の緊張は、漠然とした「うまくできるか不安」が原因であることがほとんどのようです。
人は、見えないもの・想像がつかないものに強い不安を感じやすい生き物。そこで効果的なのが、
- 不安を書き出して「何が心配か」を具体化すること
- 「最悪どうなるか?」を想像して、過度なプレッシャーを和らげること
- 緊張をゼロにしようとするのではなく、“あって当然”と受け止めるマインドをもつこと
たとえば「言葉に詰まったらどうしよう」と不安に感じているなら、「詰まっても深呼吸して間を取る」など、対処法を準備するだけで心の余裕が生まれます。
また、深呼吸や姿勢を正すこと、手をあたためる・軽くストレッチをするなど、身体からメンタルにアプローチする方法もシンプルかつ効果的です。

2. 内容の準備:
伝える順番と“伝わる言葉”を整理
どれだけ内容が充実していても、伝え方に迷いがあると不安につながりますので、事前に以下のような視点で構成を整理しておきましょう。
- 「最初に何を伝えるか」「最後に何を残すか」を明確にする
- 相手の興味や理解度に応じた言葉の選び方を心がける
- 専門用語や数字は、かみ砕いて説明する工夫をする
スライド資料がある場合は、「このスライドでは何を言うか」「ここで何を強調したいか」が一言で説明できる状態にしておくと、本番での迷いが減り、また事前に台本を準備するのではなく、話す流れの“骨組み”を作る感覚でメモをまとめておくと、柔軟に対応しやすくなります。

3. シミュレーションの準備:
一人でも声に出して“再現”する
緊張の最大の原因は「未知の状況」への不安。だからこそ、事前に本番を“再現”することが有効ですので、完璧に覚えるより、「場面に慣れる」ことを意識しましょう。
- 一人でもいいので、声に出して話す練習をする(できれば立って話す)
- 録音して聞き直す、動画を撮って表情や姿勢も確認する
- 時間を測って、流れがスムーズかどうかをチェックする
- 本番の服装・環境に近い状況で練習する
可能であれば、信頼できる人に聞いてもらい、率直な感想やフィードバックをもらうのも安心材料になり、相手の視点から気づくことも多く、「伝えたつもり」を減らす助けになります。

まとめ:準備は「自信」をつくるためのプロセス
緊張しないようにするには、完璧を目指すのではなく、「準備したことがある」という安心感を持つことが大切。
メンタル・内容・シミュレーションの3つの軸を意識して準備することで、多少のトラブルがあっても落ち着いて対応できるようになります。
準備を通して自分なりの「安心のパターン」をつくることで、本番への不安もぐっと軽減されます。
本番での自信は、直前の心構えよりも、プレゼンまでの“積み重ね”から生まれるもの。うまく話せるかどうかより、「相手に伝わるかどうか」に意識を向けて、自分らしく伝えるための準備を整えることが大事だと感じています。