「頑張ってつくったのに、なぜか反応が薄い…」
広告やチラシ、Webサイトなど、時間をかけて制作したものが思ったように届かない場合、その原因は必ずしも「センス」や「技術」の以外のことを考える必要があります。
例えば、情報を盛り込みすぎてしまったり、装飾が過剰になっていたり、表現にズレがあったりといった“やりすぎ”によって、伝わりにくくなっているケースがよくあるパターン。
今回は、制作会社としての視点から「伝わらないデザイン」に共通する3つの“やりすぎ”パターンをご紹介します。

1. 情報の“盛りすぎ”で、
かえって伝わらない
「せっかく載せるなら、全部入れておきたい」
そんな想いから、つい文字や要素を詰め込みすぎてしまうことがありますが、情報が多すぎると、読み手はどこに注目すればいいのか分からなくなってしまいます。
・見出しと本文の役割があいまいになる
・フォントサイズがすべて同じで、重要度が伝わらない
・余白が少なく、圧迫感が出る
こうした状態になると、読者は「読むことに疲れる」と感じてしまい、内容が伝わる前にページを離れてしまう可能性があるため、情報を整理し、「何を一番伝えたいのか」を決めたうえで、思いきって“引き算”していくことが、結果として伝わるデザインにつながると感じています。

2. 装飾の“やりすぎ”で、
視線が迷子になる
強調のために色や図形、アイコンを多用しているうちに、画面全体が雑然とした印象になってしまうことも。
・色数が多く、視線の導線がつかみにくい
・文字の装飾が多すぎて、逆に読みにくくなっている
・要素同士が主張し合って、バランスが悪い
このように視線の流れが自然に動くように設計することが、読み手にストレスを与えないデザインの基本です。
装飾は、あくまで「伝える」ための補助として使うことが大切で、「目立たせたい部分だけ」にとどめることで、全体が整理された印象になります。

3. 表現の“ズレすぎ”で、
読み手との温度差が生まれる
デザインの雰囲気やコピーの表現が、読み手の感覚とズレてしまうと、「自分には関係なさそう」と感じさせてしまうこともあります。
・カジュアルにしたつもりが、軽く見られてしまう
・高級感を出そうとした結果、親しみにくくなる
・業界用語を使いすぎて、伝わらない
誰に届けたいのか、その人はどんな言葉・デザインに安心感を持つのかを想像しながら作ることが伝わる表現につながるので、「伝えたい内容」をベースにしつつ、「読み手がどんな印象を持つか」にも目を向けることが大切です。

まとめ:伝えるためには
“引き算”の視点も大切
デザインで伝わらないとき、その原因は「足りない」のではなく「多すぎる」こと。
・伝えたいことを1つに絞る
・強調は必要なところにだけ使う
・見る人の目線で表現を選ぶ
こうした意識で“引き算”の視点を取り入れると、読み手にとってもわかりやすく、心に届くデザインに近づけると考えています。