伝わるデザインの裏側:制作会社が大切にしている“見えない工程”

完成したデザインをお客様にご覧いただいた際、

「おしゃれですね」
「きれいにまとまっていて見やすい!」

といった嬉しい感想をいただくことがあります。
大変嬉しく思い、メンバー一同、ほっと胸を撫で下ろす瞬間です。

実は、こうしたデザインの仕上がりには、見た目には表れないさまざまな工程が積み重ねられているのをご存じでしょうか?

今回は、デザインを「ただ整える」だけでなく、「きちんと伝えるもの」として仕上げるために、制作会社がどんなことを意識しながら取り組んでいるのかを、少しだけご紹介してみたいと思います。


見た目の“前”に考えること

デザインの仕事というと、「レイアウト」や「色を選ぶこと」が思い浮かぶかもしれません。
たしかにそれらも大切な作業なのですが、実はその前に「見えない工程」がたくさんあります。

たとえば次のような内容です。

・誰に向けたデザインなのかを考える(ターゲットの把握)
・何を伝えたいのかを整理する(目的の明確化)
・どの順番で情報が伝わるとわかりやすいかを考える(構成設計)

これらは「設計図」をつくるような作業に近く、ここが曖昧なままだと、どれだけデザインを整えても、伝わりにくいものになってしまう可能性があります。


この情報は本当に必要?の問い直し

クライアントから素材をお預かりしたとき、まず行うのが「情報の整理」です。

・この情報は見た人の行動につながるか?
・情報が重複していないか?
・優先順位をつけるとしたら?

といった観点から、「全部をそのまま入れる」のではなく、必要な情報を見極め、構成を整えていきます。

これは決して“情報を削る”ことが目的ではなく、“伝わる形に整える”ための大切なステップだと思っています。


言葉にできない感覚を言葉にする

色や雰囲気、世界観など、デザインの好みはとても感覚的なもので、

「やわらかい感じで」
「ちょっとかっこよく」
「信頼感のある印象にしたい」

といった表現を、言葉で正確に伝えるのは難しいこともあります。

私たちは、こうした“なんとなく”の感覚を一つずつ言葉にしていくために、ヒアリングや共有資料を通してイメージのすり合わせを行います。

このプロセスを丁寧に進めることで、「完成したけど、なんか違う」といったミスマッチを減らすことができると考えています。


「見た目」だけじゃない
“伝えるための設計”

デザインというと、どうしても「見た目を整える」ことが注目されがちです。

もちろんビジュアルは大切なのですが、私たちが日々の制作のなかで感じているのは、
「見た目が整っている」=「伝わるデザイン」ではないということ。

伝わるデザインをつくるためには、

・どの順番で目に入るのか(視線誘導)
・どこを強調するのか(メリハリ)
・どんな印象を残したいのか(トーンの設計)

といった設計要素を一つずつ丁寧に組み立てていく必要があります。

こうした“裏側の工程”がしっかりしていることで、初めてデザインは「伝わる」ものへと近づいていくのだと思います。


制作会社は
伝えるための伴走者です

すべてをお任せいただくのではなく、時には「一緒に考えるパートナー」として、私たちのような制作会社をうまく活用していただくのも、ひとつの選択肢だと思います。

「なんとなくうまく伝わっていない気がする」
「言葉にしづらいけど、イメージを形にしたい」

そんなときは、どうぞお気軽にご相談ください。