広告や会社案内をつくるとき、「真面目に、誠実に伝えたい」と考える方は多いと思います。
もちろんその姿勢はとても大切ですし、信頼感を持ってもらううえでも欠かせません。
ただ、堅実さだけに寄りすぎると「安心感はあるけれど、印象に残らない」ということも少なくありません。
そこで役立つのが、ほんの少しの“遊び心”です。小さな工夫を加えるだけで、広告がぐっと親しみやすく、記憶に残るものに変わると考えています。
今回は広告における「遊び心」と「堅実さ」のバランスについて考えてみます。
なぜ堅実さだけでは物足りないのか
広告の役割は「情報を正しく伝えること」だけではありません。
見てもらった人の記憶に残り、心に響くことも大事な要素です。
例えば、丁寧に事業内容を説明したパンフレットでも、すべてが堅苦しいトーンだと、印象に残らず流されてしまうことがあります。
誠実さに加えて“少しの軽やかさ”があることで、受け手に「読みやすい」「印象に残った」と感じてもらえるのではないでしょうか。
遊び心が生む効果
広告に遊び心を取り入れると、次のような効果が期待できます。
- 親しみやすさが増す
ユーモアや意外性があると、相手に柔らかい印象を与えやすくなります。 - 記憶に残る
ちょっとした驚きや工夫があることで「他と違う」と感じてもらいやすくなります。 - 会話のきっかけになる
面白い広告や心に残るデザインは、自然と人に話したくなるものです。口コミ効果にもつながるでしょう。
どう取り入れる？“遊び心”の工夫
遊び心を取り入れるといっても、大がかりな演出をする必要はありません。
例えば次のような小さな工夫でも十分に効果があります。
- キャッチコピーに言葉の遊びを入れる
読んだ瞬間に「クスッ」となるような工夫で、印象が強まります。 - デザインにイラストやアイコンを取り入れる
堅苦しくなりがちな説明も、ビジュアルで柔らかくできます。 - 季節感やちょっとした流行を加える
少しの工夫で新鮮さが出て、時代に合った印象を与えられます。
ただし、やりすぎてしまうと「ふざけている」と受け取られてしまうこともあります。業種やターゲット層に合わせて、加減を調整することが大切だと思います。
制作会社の役割
制作会社の役割は、依頼者の「真面目に伝えたい」という思いを尊重しつつ、「遊び心をどのくらい入れると効果的か」を見極めることにあります。
例えば、金融や医療のように信頼性が第一の業種では、遊び心は控えめにした方が安心感につながります。
一方で、飲食やイベント関連などでは、思い切った表現がプラスに働くこともあります。
この“堅実さと遊び心のちょうど良いバランス”を一緒に探していくことが、制作会社の大切な役割だと思います。
まとめ
広告に“遊び心”を加えることで、真面目さの中にも親しみが生まれ、印象に残りやすくなります。
大切なのは、誠実さを崩さずに「ちょうど良い軽やかさ」を足すこと。
堅実さと遊び心のバランスを一緒に考えることで、広告はより多くの人の心に届くものになるのではないでしょうか。