「スマホに通知が来るたびに、疲れる」
「通知設定なんか全部オフにしてるよ」
そんな声を耳にすることが増えていませんか？
今、世の中では「通知疲れ」や「デジタルデトックス」といったキーワードが注目されていますが、アプリやSNSから次々と届く通知にストレスを感じ、通知そのものをオフにしてしまう人が増えているのです。
そこで注目されているのが、“通知ゼロ設計”というUX戦略。
ユーザーの生活に介入しすぎず、むしろ「あえて知らせない」という選択が、逆に好印象を生むという新しい考え方です。
今回は、そんな「通知しない配慮」がファンを生む理由や、実際に導入している企業の事例、小規模ビジネスでもすぐに活用できるヒントについて紹介します。
通知疲れが生まれる背景とは？
スマホを開けば、LINE、Instagram、ECアプリ、ニュースアプリ、クーポン配信、リマインダー……日常的に大量の通知が飛び交っています。
調査によると、Z世代〜30代前半では「アプリの通知は基本オフにしている」という人が過半数を超え、20代では6割以上が「通知を見たくない」と回答したというデータもあります。
つまり、今のユーザーは「自分で選びたい」「必要なときだけ知りたい」という思考にシフトしているのです。
あえて“通知しない”ことで
信頼される
「通知が多すぎる」と感じたとき、ユーザーはアプリやメルマガの配信停止、ブロック、最悪の場合アンインストールを選びます。
だからこそ、企業側が最初から「通知を控える」「頻度を選べる」設計をしておくと、ユーザーは「このブランドは押しつけがましくない」と感じ、結果的に信頼されやすくなるのです。
たとえば：
- LINE公式アカウントで「週1回だけの通知」を明記する
- メルマガの登録時に「月刊・週刊・重要なお知らせのみ」など頻度を選べるようにする
- 初期設定で通知は“最小限”になっていて、希望する人だけが受け取れる
こうした配慮が、ユーザーとの“適度な距離感”を生み、長く愛される要因になると考えます。
実例：企業が取り入れる通知ゼロ戦略
■ Yahoo! JAPAN
Yahoo! JAPANでは、AIを活用して「ユーザーが通知を煩わしく感じない時間帯」を学習し、そのタイミングでプッシュ通知を送る取り組みを実施。
結果、開封率は最大60%以上もアップしました。
「たくさん知らせる」より、「一番見てもらえるタイミングだけ知らせる」方が効果的だという好例です。
■ 無印良品
派手な広告や大量の通知は行わず、「静けさ」や「余白」を大切にした世界観で支持を集めるブランドで、SNSでも、“無印らしい”静かな投稿が好感を呼び、ユーザーからのUGC（ユーザー投稿）と自然な共鳴を生み出しています。
■ 日本香堂「かたりべ」
お線香ブランド「かたりべ」は、静かな映像とささやくナレーション、余白のある映像構成で「癒し」を訴求。
通知や音で注目を集めるのではなく、静けさの中に惹きつける力を宿したプロモーションです。
小さな会社でも実践できるアイデア
「うちは大手じゃないし、そこまでの仕組みは作れない」
そんな方でも、日々のコミュニケーションを見直すだけで、通知疲れへの配慮は十分にできます。
今日から取り入れられる工夫
- LINE公式の通知を「イベント前日だけ」などに絞る
- 投稿やメルマガの頻度を控えめにして、“静けさ”をブランドの魅力に
- SNSでも“知らせる”より“寄り添う”投稿へ（例：商品の紹介よりも日常の風景、感謝の言葉など）
- デザインやコピーも、情報を詰め込みすぎず余白を大切に
たとえばカフェなら、毎日のおすすめメニューをプッシュ通知で知らせるのではなく、「週末だけのお楽しみ」として静かに投稿するほうが、ユーザーにとっては心地よい場合もあります。
まとめ：余白が心をつかむ時代
今は「騒がしい」情報があふれているからこそ、“あえて静かにする”ことが差別化になります。
通知を控えめにする、情報をぎゅうぎゅうに詰めない、SNSでの主張を減らす──これらはすべて「ユーザーに配慮している」というシグナルでもあるのです。
売り込むのではなく、そっとそばにいるような発信。
その姿勢こそが、長く選ばれるブランドになるためのヒントかもしれません。
私たち広告制作会社では、こうした「控えめな発信」や「通知ゼロ設計」の考え方を取り入れたプロモーションのご相談も承っています。
「うちのブランド、少しうるさいかも？」と感じたら、ぜひ一度ご相談ください。
・参考記事
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000209.000013569.html
https://begi.net/news/archives/12168.html