「広告を作ったのに、思ったほど反応がなかった…」
そんな経験をされたことはありませんか?
もちろんデザインの完成度は大切ですが、実は「誰にどう伝えるか」を意識できていないと、せっかくの広告も相手の心に届かないことがあります。
大阪万博では、外国からの観光客、小さな子ども、ご高齢の方まで、本当に幅広い人たちが訪れています。だからこそ、展示や案内には“誰にでも伝わる工夫”が徹底されています。
今回はその万博の工夫をヒントに、「多様な人に伝わる広告デザイン」について考えてみたいと思います。

万博が示す「多様性」の現場
万博の会場に足を踏み入れると、まず目につくのは多言語で書かれた案内表示です。英語や中国語、韓国語などに対応しているのはもちろん、言葉を使わなくても意味が伝わるアイコンや色分けが随所にあります。
例えば、トイレやエレベーターのマークも世界共通で理解しやすいデザインが用いられており、国籍に関わらず一目で分かります。
また、会場の通路は色でゾーン分けされ、文字が読みにくい小さな子どもや視力が弱い方でも、感覚的に目的地にたどり着けるよう工夫されています。
この「誰も置いていかないデザイン」は、まさに多様性を前提に考えられていると感じます。
広告デザインに活かせる工夫
万博の事例は、広告や販促にもそのまま応用できるヒントだと思います。
例えば:
- 直感的に伝わる表現
複雑な説明文よりも、イラストや図解で見せる方が伝わりやすい場合があります。商品の使い方を写真で見せるだけで、文章を読まずに理解してもらえます。 - 多文化への配慮
外国人観光客をターゲットにするなら、英語や中国語の補足を添えるだけでも安心感につながります。また、色や形の選び方には文化ごとの感じ方の違いがあります。例えば、日本では「白」は清潔感を表す色ですが、中国では「白」はお葬式を連想させる色でもあります。こうした背景を知っておくと、海外の方に向けた広告でも誤解を招きにくくなると思います。
- ユニバーサルデザインの視点
文字の大きさや色のコントラストを調整することで、高齢の方や色覚に特徴のある方にも読みやすい広告になります。例えばパンフレットなら、背景と文字色の差をしっかりつけるだけで可読性がぐっと上がります。
広告はつい「デザイン性」や「見栄え」に目が行きがちですが、こうした工夫があると、より多くの人に届く広告になるのではないでしょうか。

制作会社ができるサポート
「多様性を意識したデザイン」と聞くと、なんだか大掛かりなことのように感じられるかもしれません。
ですが実際には、小さな工夫の積み重ねで十分に効果が出ることが多いと感じています。
制作会社の役割は、依頼主の方と一緒に「誰に届けたいのか」を整理し、その人に届きやすい表現を探していくことです。
例えば「外国人観光客にも見てほしい」といった要望があれば、文字だけでなく写真やイラストを多めにしたり、多言語対応を取り入れたりといったご提案もできます。
依頼される方が「気づいていない層」にまで届けられるように、第三者の視点からアドバイスできるのも制作会社の強みではないかと思っています。

まとめ
大阪万博では、多様な来場者を想定して「誰にでも伝わるデザイン」が徹底されています。
広告や販促も同じで、対象となる人の幅が広ければ広いほど、シンプルで直感的、そして配慮のあるデザインが効果を発揮します。
すべてを一度に取り入れる必要はなく、「文字を少し大きくする」「写真を増やす」など、できるところから取り入れてみるだけでも変化を感じられるはずです。
「うちの広告にもこういう工夫が合うかも」と思ったら、ぜひ参考にしてみてください。
制作会社としても、寄り添いながら一緒に最適な形を考えていければ嬉しいです。