「できるだけ安く、早く、しかもクオリティの高いものを作りたい」
そう思う方も多いのではないでしょうか。
もちろん、その気持ちはとても自然なことですが、制作の現場では 「予算」「納期」「クオリティ」 の3つすべてを、いつも完璧にそろえるのは難しい場合もあります。
だからこそ、依頼の前に「どれを一番大事にしたいか」を整理しておくと、より良い形で制作が進みやすくなります。
今回は、その3つの優先順位の考え方を、事例を交えてわかりやすくご紹介します。

1. 予算(Budget)
予算は、制作物の内容や仕上がりの質を左右する大きな要素。
限られた予算の中でも、工夫次第で満足のいく成果物は作れますが、できること・できないことが変わってきます。
たとえば…
- 予算を優先した場合
→ 素材は支給してもらい、デザインや構成に注力
→ 印刷や撮影は別手配にしてコストを抑える - 予算を抑える代わりに、納期やクオリティの一部に柔軟性を持たせる
「予算はこれ以上出せない」という場合は、早い段階で制作会社に伝えておくと、最適な提案を受けやすくなります。

2. 納期(Schedule)
「いつまでに必要か」は、制作の進め方を決める大きなポイント。
納期が短い場合、対応できる作業範囲や検討できる案の数は限られてきます。
たとえば…
- 納期を優先した場合
→ テンプレートや過去の制作物をベースに進めてスピード重視
→ 修正回数をあらかじめ少なく設定 - 短納期案件は、素材や情報を事前に揃えておくことでスムーズに進行
「イベントの告知日」や「印刷所への入稿期限」など、動かせない日程がある場合は、最初の打ち合わせで必ず共有しましょう。

3. クオリティ(Quality)
クオリティは、ブランドの印象や成果物の完成度に直結するため、時間やコストをかけるほど、細部まで丁寧に作り込むことができます。
たとえば…
- クオリティを優先した場合
→ 写真撮影を新たに行う
→ デザイン案を複数パターン比較
→ 細かい修正や調整を繰り返して完成度を高める
「長く使えるものにしたい」「ブランドイメージをしっかり反映したい」という場合は、クオリティを最優先にすると良いでしょう。

優先順位の考え方
この3つの関係は、よく『三角形のバランス』に例えられており、予算・納期・クオリティのうち、優先できるのは基本的に2つまでと考えるとわかりやすいと思います。
- 予算と納期を優先 → クオリティはある程度妥協
- 予算とクオリティを優先 → 納期に余裕をもたせる
- 納期とクオリティを優先 → 予算は上がる可能性あり
まとめ|優先順位を決めると
相談がスムーズに
制作会社は、依頼主の希望をできる限り叶えたいと考えていますが、そのためには「何を一番大切にするか」を共有していただくことが、より良い提案や進行につながります。
もし迷ったら、
- どんな場面で使うのか
- どのくらいの期間使うのか
- どれくらいの完成度が必要か
こういったことを整理してから相談してみてください。
優先順位が明確になっていると、制作会社とのやり取りがスムーズになり、満足のいく仕上がりにつながります。