「うちの商品やサービスにもファンがついたらいいのに…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
実はいま、企業のSNSアカウントを“推し”として応援する人たちが
じわじわと増えている傾向があり、好きなアイドルやキャラクターに限らず、「中の人」や「企業キャラ」「ブランドそのもの」に対して、まるで友達やタレントのような親しみを持って接する文化が、特に若い世代の間で広がっていると言われています。
そこで今回ご紹介したいのが、企業アカウントに“推し活文化”を取り入れるという視点です。
小規模ビジネスでも十分に実践可能で、むしろ人との距離感が近い小さな組織だからこそ、より自然にファンとの関係を育てやすい取り組みだと考えています。
今回は、「自社キャラクターの“推し化”」、「社員・スタッフを前面に出す運用」、「商品を“アイドル”的に演出する方法」という3つの切り口から、今日から取り入れられるファン化戦略についてご紹介します。

キャラクターに“人格”を持たせて、
企業の顔にする
まずは自社キャラクターを活用する方法です。
たとえばコンビニ大手のローソンでは、X(旧Twitter)の公式アカウントに登場する「あきこちゃん」が有名です。
音符マーク付きの語り口や優しいコメントが人気を集め、企業そのものではなく、キャラクターが“話している”構成にすることで、情報発信がぐっと柔らかくなり、親しみやすさが生まれています。

引用:https://www.lawson.co.jp/lab/akiko/art/1458707_5114.html

引用:https://x.com/akiko_lawson
中小企業であっても、こうしたキャラクター戦略は十分に取り入れ可能です。
- 社内のスタッフが描いたゆるいイラスト
- 名前や性格、口癖などのちょっとした設定
- 「今日は〇〇をお手伝い中!」と日常を見せる投稿
といった工夫を積み重ねることで、キャラクターが徐々に“企業の顔”として育っていきます。
社員や中の人を“推し”として
親近感を持ってもらう
企業の中の人が顔を出して発信するスタイルも、今では多くの支持を得ています。
たとえば、健康食品メーカー「わかさ生活」の広報担当者は、馬のかぶり物をかぶったユニークなスタイルで「ブルブルくん」と旅をし、その様子を投稿することで多くのファンを獲得しています。

引用:https://x.com/WAKASASEIKATSU
※現在は担当の方は転職され、別の方が引き継いでいるそうです
さらに製造業の三陽工業では、TikTokにて社員たちがダンスやネタ動画を投稿。普段は真面目な仕事ぶりを見せている社員がはじける姿が人気を呼び、「この会社で働きたい」と採用にも好影響をもたらしました。

引用:https://www.tiktok.com/@sanyoukougyou?lang=ja-JP
中小企業でも取り入れやすい工夫として、
- スタッフの一言紹介や似顔絵アイコン
- 休憩時間の何気ない会話や雑談をテキスト化
- 業務中の裏話や失敗談など、人間味あるエピソード
といったコンテンツが効果的です。
「この人の発信が好き」「応援したくなる」── そう思ってもらえた時点で、すでに“推されている”と言えると思います。
商品やサービスそのものを
“アイドル”のように見せる工夫
人やキャラだけでなく、商品そのものを“推し化”する工夫も増えています。
たとえば、
・「メリー」は推し活向けの8色展開チョコレートを発売

引用:https://www.mary.co.jp/mary/topics/231116_oshiCP.html
・「シーブリーズ」はボトルカラーごとの“推し色”マーケティング

引用:https://x.com/seabreeze_1902/status/1588410722320470017
・「うまい棒」は妹キャラ「うまみちゃん」をVTuber化
といったように、商品に“選べる・応援できる・感情移入できる”要素を持たせることで、ファン心理に自然と訴求しています。
中小企業であっても、
- 季節ごとの限定パッケージで“推し色”展開
- 商品にキャラ設定を与える(例:「長男気質のコーヒー豆」)
- SNSで「どれが一番好き?推しを教えてください!」と投稿
といった形で、「商品を応援する」文化は十分に育てることができます。
SNSで“推し”を育てるには
継続と工夫がカギ
どのSNSでも大切なのは、“継続的な発信”と“コミュニケーションの余白”です。
- X(旧Twitter):スタッフの日常+リプライや引用RTの丁寧な対応
- Instagram:キャラのある写真投稿+ストーリーズでの裏話シェア
- TikTok:社員によるチャレンジ動画や寸劇などでギャップ演出
一方的な情報発信ではなく、ユーザーとのやりとりを重視する姿勢が“推し”の信頼感を育てていきます。

推し活は一時的なブームではなく、感情のつながりをベースにした新しいマーケティングの形だと考えます。
中小企業にとっても、「人の顔が見える」「日々の活動が伝わる」といった親しみやすさが武器になるため完璧である必要はなく、むしろ“ちょっと抜けてる”“等身大の姿”が共感や応援につながると思います。
こうした“推し化”を取り入れたSNS運用やコンテンツ制作のご相談も承っておりますので、
「スタッフや商品をもっと好きになってもらいたい」
「広告っぽくない発信がしてみたい」
そんな時は、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。
参考記事
・https://gaiax-socialmedialab.jp/post-59945/#:~:text=%40akiko_lawson
・https://smmlab.jp/article/casestudy-oshikatsu-marketing/