「このデザイン、どっちが正解なんだろう?」
そんなふうに迷った経験はありませんか?
広告やWebサイト、パンフレットなどをつくるとき、
「どの案を選べばいいのか」「社内の意見がまとまらない」
そんな悩みをよく耳にします。
実は、私たち制作側も、日々この“正解のない世界”の中で試行錯誤しています。だからこそ今回は、デザインを判断するときに大切にしている3つの視点についてお話ししたいと思います。

1. 「見た目」よりも「目的」を見る
デザインを考えるとき、まず大事にしたいのは「見た目」よりも「目的」です。
きれいに整ったデザインや、流行を取り入れたビジュアルももちろん素敵ですが、それだけでは「なぜこのデザインなのか」という理由が見えなくなってしまいます。
たとえば、
- 認知を広げたいのか
- 信頼を感じてもらいたいのか
- 行動を促したいのか
目的によって“正解”はまったく変わります。
だからこそ、私たちは打ち合わせの段階で「目的を言葉にする時間」をとても大切にしています。
この一歩があるだけで、完成までの道筋がずっと明確になると感じています。
2. 「好み」ではなく「理由」で選ぶ
デザインを見比べるとき、「こっちの方が好き」と思うのは自然なことです。
でも、そこからもう一歩踏み込んで「なぜ好きなのか?」を考えてみると、デザインを見る目がぐっと変わってきます。
たとえば――
「色が明るくて印象がやわらかいから」
「文字が大きくて読みやすいから」
そんな理由を共有できると、感覚の違いではなく“意図の違い”として前向きな話し合いができるようになります。
制作会社としても、「好み」だけで終わらせず、その奥にある“伝えたい印象”や“ブランドの方向性”を言葉で整理することを意識しています。
そうすることで、みんなが納得できる判断につながると感じています。
3. 答えがひとつではないからこそ、
“納得”を積み重ねる
デザインに「これが正解!」という答えはありません。
だからこそ、私たちは“納得の積み重ね”を大切にしています。
意見が分かれたときも、「どちらが良い・悪い」ではなく、「なぜそう思ったのか」を丁寧に聞いていく。
そうした対話を重ねることで、少しずつ方向性が見えてきます。
結果として、“自信を持って出せるデザイン”に近づいていくのだと思います。
時間がかかるように見えても、このプロセスこそが最終的に満足度の高い成果物につながるのではないでしょうか。

制作会社の役割
制作会社の仕事は、「答えを押しつけること」ではありません。
一緒に考えながら、“納得できる形”を見つけていくことだと思っています。
依頼してくださる方の思いや背景を丁寧に聞き取り、「なぜこのデザインなのか」を言葉で説明できるようにする。
その積み重ねが、安心して任せてもらえる信頼関係につながっていくと感じます。

まとめ
デザインに明確な正解はなくても、選んだ理由を丁寧に説明できることが大切だと思います。
そして、その理由を共有する時間こそが、より良いデザインを生み出す土台になると私たちは考えています。
迷うことがあるのは、それだけ真剣に考えている証拠。
その悩みを一緒に整理しながら、「これなら伝わる」と胸を張って言えるデザインをつくっていけたら嬉しいです。