広告やパンフレットをつくるとき
「オシャレにしてほしい」
「かっこいい感じで」
そんなふうに見た目を重視してご相談いただくことは少なくありません。
もちろん、見た目の印象はとても大切な要素ですが、デザインの本質は“伝えること”にあると、私たちは考えています。
今回は、広告や販促物を制作するうえで大切な「伝わるデザイン」の考え方について、制作会社の立場から考えてみたいと思います。

「伝える」ことがデザインの本質です
広告やチラシ、Webページなど、どれも最終的な目的は「何かを伝えること」だと思います。
たとえば、
- 来店してほしい
- 資料請求してほしい
- 商品に興味を持ってほしい
といったように、見る人に“何らかの行動”を促すのが、広告の役割です。
デザインも同じで、「見た目がいい」だけでなく、“誰に、何を、どう伝えるか”を意識した設計がされていることがとても重要で、色やレイアウト、文字の大きさなど、一つひとつの要素が、「伝えるため」に機能していることが、成果につながるデザインにつながっていくと思います。

見た目だけで選ぶと起こりやすい「ズレ」
実際の現場では、次のようなもったいない事例に出会うことがあります。
- おしゃれだけれど、文字が読みにくくて内容が伝わらない
- デザインは洗練されているのに、ターゲットに合っていない
- カラーや雰囲気がブランドの印象とちぐはぐ
たとえば、「若い女性向けの商品なのに、落ち着いた色合いで作ってしまった」
または、「読みやすくしたいからと文字を大きくしたら、逆に伝えたい情報が埋もれてしまった」といったことが起こると、せっかく作った広告が思ったように届かなくなってしまいます。
こうしたズレを防ぐためにも、デザインは見た目だけで判断せず、“目的とターゲット”から考えていくことが大切だと考えています。
伝わるデザインには「設計」があります
「デザインってセンスですよね?」という声もよくいただきますが、
実は、伝わるデザインには明確な“設計”があります。
たとえば、
- 一番伝えたい情報を一番目立つ場所に配置する
- 見る人が読み進めやすいように、視線の流れをつくる
- 色の使い方で感情や印象をコントロールする
といったように、視覚的な工夫にはすべて理由があります。
そしてこの設計を支えているのが、
- 誰に届けたいのか(ターゲット)
- どんな目的で作るのか(目的)
- どんな行動を期待しているのか(ゴール)
という事前の整理です。
デザインの打ち合わせでは、この部分を一緒に言語化していくことが、良いものを作るための第一歩になると考えています。
共有していただけると嬉しいこと
制作を依頼するときに、
「デザインのことはよくわからないから、全部おまかせで」
と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、それでも問題はありませんが「どんなことを伝えたいのか」「誰に向けたものなのか」だけでも共有できると、より伝わるデザインを一緒に考えやすくなると思っています。
たとえば、
- 今の広告では伝えきれていないと感じること
- お客さまからよく聞かれる質問
- 競合と違う、自社ならではのポイント
などもヒントになりますので、完璧な資料でなくても、メモ書き程度のものでもとても参考になります。

まとめ:「見た目が良い」だけでは
もったいない
デザインには、“視覚で伝える”という強力な力があります。
だからこそ、ただオシャレに仕上げるだけでなく、「誰に何を届けるか」という視点を持つことが大切だと感じています。
私たち制作会社も、「伝わるデザイン」を一緒に考えていくパートナーとして、
見た目と設計、どちらも両立した広告を目指して日々取り組んでいます。
もし「どう伝えたらいいかわからない」と感じたときは、遠慮なくご相談ください。
その悩みこそが、伝わる広告をつくる第一歩かもしれません。