広告を依頼するとき、「何から伝えたらいいのかわからない…」と悩んだ経験はありませんか?
私たち制作会社も、はじめてご相談いただくお客さまとのやりとりでは、「伝えたいことがあるのに、うまく言葉にできない」と感じておられる様子に、何度も出会ってきました。
そうしたときに、大きな助けになるのが、あらかじめ整理された資料です。
といっても、堅苦しいものを作る必要は全くありません。
メモ程度でも大丈夫ですし、むしろ完璧な内容でなくても「情報がまとまっている」だけで、打ち合わせの精度がぐっと高まると感じています。
今回は、広告づくりをスムーズに進めるために役立つ「資料づくり」のポイントについて、制作会社の立場からご紹介したいと思います。

なぜ、準備資料があると助かるのか?
広告制作のスタートは、「どんな目的で、誰に向けて、何を伝えたいか」を共有することから始まります。
この初期のやりとりがうまくいくと、デザインやコピーの方向性も早い段階で明確になり、完成までのプロセスがとてもスムーズに進みます。
一方で、情報が断片的だったり、前提が共有できていなかったりすると、「仕上がったあとに、やっぱりちょっと違った…」というズレが起きやすくなってしまいます。
そのため、最初の段階である程度の情報を整理した資料があると、
- 誤解や手戻りが少なくなる
- 制作スケジュールに余裕が持てる
- 限られた予算でも最大限の成果が出やすくなる
といった点で、とても助かると感じています。

制作会社はこんな情報を
ありがたいと感じています
ここでは、実際の現場で「こういった情報があると進めやすいな」と感じる項目をいくつかご紹介します。
1. 商品やサービスの概要
公式サイトのURLや画像などがあると、こちらも考えやすくなり、またどんな商品・サービスなのか、具体的な特徴や強みを教えていただくことで、イメージがさらに膨らみ、デザインの精度が高まっていきやすくなります。
2. 広告の目的
「知ってもらうため」「問い合わせを増やしたい」「採用につなげたい」など、目的によってデザインや構成も変わってくるため、広告を通じて「どんな変化を期待しているか」を共有していただけると、制作の方向性が定まりやすくなります。
3. 想定しているターゲット
年齢層や性別、地域、ライフスタイルなど、「誰に届けたいか」を具体的に教えていただけると、伝え方を絞り込みやすくなりますが、ターゲットがはっきりしていない場合は、「今のお客様に多い層」などでも大丈夫です。
4. 媒体(どこに使う広告か)
Webサイト、SNS、紙のチラシ、ポスターなど、媒体の種類によって最適なフォーマットやアプローチも変わってくるため、掲載場所が決まっている場合は、あらかじめ教えていただけると助かります。
5. 参考資料や事例
「こういう雰囲気が好き」「こんなイメージでつくりたい」といった参考になる資料や広告があると、イメージの共有がしやすくなりますが、必ずしもデザイン関係でなくても、「社内パンフレット」「過去の広告」などでも問題ありません。
6. スケジュールや希望納期
いつごろまでに広告を公開したいのか、社内での確認フローにどれくらい時間がかかりそうかなど、全体の流れを見通せる情報があると、進行計画も立てやすくなります。

「目的が曖昧」な場合はどうすればいい?
ここまで読んで、「うちはまだ方向性が固まっていなくて…」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
でも、大丈夫です。
そういった場合は、「現状の悩み」や「理想のゴール」を言葉にしていただくだけでも、私たちとしては十分ありがたいと感じます。
たとえば、
- SNSフォロワーが増えない
- 採用ページを見てもらえていない
- 商品の魅力を伝えきれていない気がする
といった声も、広告づくりのヒントになります。
あいまいな状態を一緒に整理するところから、私たち制作会社がお手伝いできればと思っています。
実際に助かった「資料」の例
ここでは、実際の現場で「これはありがたかった」と感じた資料の一例をご紹介します。
● 事例①:パワポ1枚の要点整理
箇条書きで「商品の特徴」「訴求ポイント」「ターゲット像」が整理されたパワーポイントをいただいたケースです。
短時間で全体像がつかめたことで、初回の提案も具体的に行えました。
● 事例②:NGワードリスト付きの原稿案
「この表現は使いたくない」「こう思われたくない」といった表現のNGリストを事前にいただきました。
そのおかげで、修正の回数が最小限に抑えられ、納品までがとてもスムーズでした。
● 事例③:競合との比較資料
「〇〇社と比べて、こういう違いがある」といった比較視点の資料があると、広告の差別化ポイントがはっきりしやすくなり、コンセプトづくりの材料としてもとても役立ちます。
まとめ:完璧でなくて大丈夫
少しでも「整理された情報」が大切です
資料というと、「ちゃんと作らないといけないのでは?」と思われるかもしれません。
でも、私たち制作会社としては、完璧な資料でなくても、思いや考えが整理されているだけで、十分にありがたく感じています。
むしろ、書き出すことで「自社の魅力」や「伝えたいこと」にあらためて気づくこともあります。
広告づくりは、情報の整理から始まると言っても過言ではないと思っています。