キャッチコピーが思いつかない?プロも使う「伝えたいことの整理術」

キャッチコピーを考えようとしても、なかなか言葉が出てこない。
サービスの魅力や強みはわかっているのに、短くまとめようとすると手が止まってしまう。
そんな経験がある方も少なくないと思います(私もそうです)。

こういった言葉や考えの詰まりはセンスの問題というより、「何を伝えるか」がぼんやりしていることが原因だったりします。

いきなり言葉を考えるのではなく、まずは伝えたい内容を明確にしておくことで、キャッチコピーもぐっと考えやすくなると感じています。

今回は、制作会社の現場でもよく行っている、「伝えたいことの内容を明確にするための基本的な考え方」をご紹介してみたいと思います。


キャッチコピーは
いきなり言葉から考えない

キャッチコピーというと、「かっこいいフレーズ」や「目を引く言葉」をいきなり考えたくなってしまいますが、言葉選びに入る前に、“伝えるべき中身”を明確にすることがとても大切です。

実際、私たち制作会社でも、いきなりコピーを考えることはなく、ヒアリングや資料の中から、まずは「何を、誰に、どう伝えたいのか」を整理していくことで固めていくといったスタイルがほとんどです。

つまり、キャッチコピーは言葉選びよりも、前段階の“整理”がポイントになります。


整理に使える3つの基本質問

「伝えたいことの棚卸し」をするときは、以下の3つの問いから考えてみるとスムーズです。


① 誰に?(ターゲット)

  • この広告やチラシは、誰に向けたものか?
  • 性別・年齢・地域・生活スタイル・悩みごとなど、できるだけ具体的に考えてみましょう。

たとえば
「子育て中の30代女性」
「お店選びに悩んでいる新規のお客さま」
といったように、実際の“顔が見える人”を想像すると考えやすくなります。


② 何を?(価値・提供するもの)

  • この商品・サービスの魅力は何か?
  • 使うことで、どんな嬉しさや変化があるのか?

単に「◯◯ができます」だけでなく、「結果的にどんな良いことがあるか?」まで考えると、言葉に厚みが出てきます。


③ どうして?(選ばれる理由)

  • 似たようなサービスがある中で、なぜこれを選ぶのか?
  • 他との違いや、こだわっているポイントはどこか?

「地域密着で対応している」
「説明がやさしくて初心者にもわかりやすい」
「スピードよりも、丁寧さを重視している」など、数字では見えない特徴も立派な“違い”です。


詰まったときは
自分に問いかけてみる

どうしても言葉にできないときは、次のような自問をしてみるのもおすすめです。

  • 一言で言うと、うちってどんなサービス?
  • お客さまに何て言ってもらえたら嬉しい?
  • 一番大切にしている考え方は?
  • 自分がその商品を選ぶとしたら、どこが決め手になる?

こういった問いかけに答えることで、「伝えたいこと」の芯が少しずつ見えてきますし、書き出すときはきれいにまとめようとせず、思ったことを箇条書きにしていくくらいがちょうどいいと思います。


コピーに仕上げていく
3つのコツ

ある程度整理できたら、それをキャッチコピーに落とし込んでいく段階です。
ここでは、実際に制作の現場でもよく使う言葉づくりのコツを3つご紹介します。


① 要点を「短くする」

いきなり短くキャッチーにするのは難しいですが、まずは長めの文章を、1〜2文くらいにまとめてみるだけでもOKです。

例:
❌ 私たちは、地域密着で小さな悩みごとにも丁寧に寄り添って対応する工務店です
✅ 小さな工事でも、顔の見える安心対応を


② 言い切る

「〜かもしれません」「〜できます」など、やわらかい言い回しも大事ですが、
コピーでは言い切ることでメッセージに力が生まれます。

例:
❌ 家づくりをサポートします
✅ あなたの理想の家を、私たちがつくります


③ 相手に語りかける形にしてみる

「あなた」や「○○したくなる」など、相手目線に立った語りかけは、共感を呼びやすくなります。

例:
✅ あなたの「ちょうどいい」を一緒に探します
✅ これからの毎日に、“ちょっといい”を届けたい


まとめ:「整理」から始まる
キャッチコピーづくり

キャッチコピーは、センスやひらめきだけで生まれるものではありません。
伝えたいことを丁寧に棚卸ししておくことで、言葉が浮かびやすくなり、
結果的に「伝わるコピー」へとつながっていくと思います。

迷ったときは、いきなり言葉を考えず、「誰に、何を、どうして」を見つめ直すことから始めてみるのがおすすめ。

制作会社としても、言葉が出てこないという状態から、一緒に考えていくことができますので、キャッチコピーにお悩みの際は、気軽にご相談いただければと思います。