「AIが提案してくれたデザイン、整っているけれど、なんだかピンとこない」
そんな経験はありませんか?
AIは効率的で、正確な答えを出すのが得意。ただ、そこに“人らしさ”や“ひらめき”が感じられないこともあります。
今回は、AIが出した“正解のような案”をどう活かし、人の感覚を生かした発想につなげていくかを、AIO(AI+人の共創)の視点から考えてみたいと思います。

AIは「整える」のが得意。
だからこそ、人は“広げる”
AIの提案は、きれいにまとまっていて、わかりやすいですが、“まとまりすぎている”と感じたことはないでしょうか。
AIが得意なのは、過去の情報を整理して「よくある形」にまとめること。
一方で、人の発想は、そこから少しはみ出した“ズレ”の中に生まれます。
たとえば――
- 提案された構図を少し反転してみる
- 無難な色を思いきって明るく変える
- キャッチコピーを問いかけ調にしてみる
こうした小さな「ずらし」が、AIでは出せないアイデアにつながりますので、AIの出した案を“完成”ではなく“きっかけ”と考えることが大切です。

“ひらめき”は、情報の外にある
AIは、膨大なデータをもとに最適な答えを出します。つまり、AIが使うのは「すでにある情報」。
でも、人の発想は、日常の中の何気ない体験や感情から生まれます。
たとえば――
- 打ち合わせ中の何気ない会話
- 通勤途中に見かけた広告の色づかい
- お客様のひとこと
こうした出来事が、アイデアの種になることも多いと思います。
AIの情報に頼りすぎず、「自分の感じたこと」を大切にすることで、発想の幅は自然と広がっていきます。

制作会社の役割:
AIの提案を“素材”として活かす
制作現場でもAIを使う機会が増えてきましたが、AIの提案をそのまま使うことはありません。
私たちは、AIが出した案を「素材」として受け取り、そこから人の感覚で仕上げていきます。
たとえば、
- ブランドらしい言葉を足して表現を整える
- 企画の背景を踏まえて構成を変える
- 画像のトーンを、見せたい印象に合わせて調整する
AIが出すのは「情報としての正しさ」。
人が加えるのは「伝わりやすさ」や「気持ちの通う温度」で、その組み合わせが今の時代に合ったAIO的な発想だと思います。
まとめ
AIがあることで、発想の“きっかけ”はたくさん増えましたが、そこに「人の視点」や「少しの工夫」が加わることで、発信の印象は大きく変わります。
AIに頼るのでも、対抗するのでもなく、一緒に考える相棒として使ってみる。
そんな気持ちで向き合うことで、自然と“自分らしいひらめき”が生まれてくるのではないでしょうか。