「若者向け」は誤解?中小企業こそTikTokを広報・集客に活用すべき理由

「InstagramやXはある程度運用しているけれど、TikTokも活用した方がいいのでしょうか?」
「もし自社の広報に取り入れるとしたら、他のSNSとどう使い分ければ効果的になるのでしょうか?」

最近、広報やWeb集客に力を入れている企業様から、こうしたご相談をいただく機会が増えてきました。

新しいメディアが次々と登場する今、複数のSNSを上手に組み合わせて自社の宣伝を行うことは、もはやスタンダードになりつつあると感じています。

その中で、TikTokはどうしても「若者向け」というイメージが先行してしまい、「ビジネスとして具体的にどう貢献するのかが見えにくい」と感じている方も多いと思います。

そこで今回は、「既存のSNSとTikTokは何が違うのか」、そして「中小企業が広報戦略として取り入れる際のポイント」について、制作会社の視点から解説します。


従来のSNSとは「得意分野」が違う

まず、InstagramやFacebook、Xといった従来のSNSと、TikTokの違いについてお話しします。

これらは、どちらが優れているかではなく、広報における「役割」が異なると考えるとわかりやすいと思います。

  • 従来のSNS(Instagramなど)=「会員制の交流会」
    まずはお客様(フォロワー)と繋がり、関係性を深めることが得意です。 「すでに自社を知っている人」や「興味を持ってくれた人」に対して、最新情報や魅力を伝え、ファンになってもらうためのツールと言えます。
  • TikTok =「駅前のデジタルサイネージ(街頭ビジョン)」
    通りすがりの人(フォロワー以外の人)に対して、強制的にではありませんが、広く情報を届けることが得意です。 独自の仕組み(アルゴリズム)により、フォロワーが0人であっても、そのトピックに興味がありそうなユーザーの画面へ自動的に動画を表示してくれます。

つまり、既存のSNSが「ファンとの交流(育成)」に向いているのに対し、TikTokは「まだ自社を知らない層への認知(発見)」に特化しています。

「新しいお客様との接点をもっと増やしたい」と考えている場合に、非常に強力な武器になります。


中小企業の広報にこそ、TikTokが適している可能性

「認知を広げるのには良さそうだけど、発信するネタがあるかな?」 と思われるかもしれませんが、実はTikTokユーザーがいま求めているのは、作り込まれたCMのような動画ではなく、「リアルな情報」や「プロの技術」だと言われています。

中小企業が持つ「現場の資産」こそが、良質なコンテンツになり得ます。

  • 専門知識のシェア: 「不動産屋が教える、良い物件の見分け方」や「印刷会社が教える、紙の種類の選び方」など、プロならではの視点が好まれる傾向にあります。
  • 製造・作業風景: 工場で部品が作られる工程や、清掃業のプロの手さばきなど、「普段見られない裏側」は、それだけで知的好奇心を満たすエンタメになります。
  • 社員の人柄: 社長やスタッフが自社商品について熱く語る様子など、企業の「温度感」を伝えることで、採用活動(リクルート)への効果も期待できます。

特別な演出をしなくても、「自社の当たり前」をオープンにするだけで、立派な広報活動になるのがTikTokの魅力です。


短い動画だからこそ「最初の印象」が重要

TikTokは次々と動画が流れてくるため、ユーザーは一瞬で「見るか、見ないか」を判断します。ここで機会を逃さないためには、以下の要素が重要になります。

  • 目に留まるタイトル: 単なる「作業風景」ではなく、「創業50年の職人が本気を出した結果」のように、続きが気になる言葉を選ぶ。
  • 読みやすいテロップ: スマホの画面サイズに合わせ、ストレスなく読める位置・大きさ・色で文字を入れる。
  • 信頼感のあるトンマナ: 企業としての品位を損なわないよう、色使いやフォントを統一する。

動画の中身はリアルなままで良いのですが、その「パッケージ(見せ方)」を整えることで、企業としての信頼感や、情報の伝わりやすさは格段に上がります。


制作会社がお手伝いできること

「TikTokの可能性は感じているけれど、社内のリソースだけで運用するのは難しそう…」 と感じる場合も多いと思います。

制作会社は単に動画を編集するだけでなく、「広報戦略の一部」として、効果的な運用をサポートすることが可能です。

  • 企画・構成のご提案: 事業内容をお聞きし、「どの業務がコンテンツとして魅力的か」を客観的な視点で発掘。
  • フォーマット設計: 誰が作っても一定のクオリティが保てるよう、動画の型(テンプレート)を作成。
  • 他のSNSとの連携: TikTokで認知された後、どうやってホームページやInstagramへ誘導するか、全体の動線設計を行う。

まとめ

TikTokは、若者だけの遊び場ではなく、企業の新しい認知獲得ツールとして進化しています。「もっと効果的な広報を行いたい」という前向きな企業にとって、有力な選択肢の一つだと考えています。

「同業他社はどんな発信をしているの?」「うちの業界でも効果はある?」といったご質問でも構いませんので、まずはお気軽にお問い合わせフォームよりお声がけいただければと思います。