「SNSのフォロワーさんも増えてきたし、『いいね』もつくようになった。それなのに、肝心のお問い合わせにつながらないんです……」
最近、広報担当者様からこうしたご相談をいただく機会が増えています。
SNS上の数字は伸びているのに、なぜか成果が見えてこない。
実はこれ、SNS自体は成功しているからこそ陥りやすい「落とし穴」なのかもしれません。
今回は、SNSで集めた関心を途切れさせず、スムーズにお問い合わせへとつなげるための「SNSとWebサイトの連携ポイント」について解説します。

原因は「入り口(SNS)」と
「受け皿(Web)」のギャップ
SNS上でユーザーが抱いた期待感と、移動した先のWebサイトの印象に「ズレ」がある場合、お客様はすぐにページを閉じてしまう傾向にあると言われています。
たとえば、実店舗に置き換えて考えてみます。
SNSでおしゃれでモダンなカフェを見つけて、ワクワクしながらお店に行ってみたとします。
ところが、いざドアを開けると、内装が古くて雑然としていたり、雰囲気がSNSと全然違っていたらどうでしょうか?
きっと、「あれ? お店を間違えたかな」と不安になったり、「イメージと違うな」とがっかりして、そのまま帰りたくなってしまうはずです。
Web上でも、これと同じことが起こり得ます。
SNSでは「親しみやすさ」や「最新のトレンド」を打ち出しているのに、Webサイトが「文字ばかりで堅い」「デザインが数年前のまま」だと、お客様は「情報の鮮度が低そうで不安」「思っていたのと違う」と感じてしまいます。
SNSはあくまで「入り口」であり、最終的な申し込みや購入を行うのは「受け皿」であるWebサイトです。
この2つの間にギャップがあればあるほど、せっかくの集客を逃してしまうことにつながります。

離脱を防ぐための
「トーン&マナー」の統一
このギャップを埋めるために大切なのが、デザインにおける「トーン&マナー(トンマナ)」の統一です。
トーン&マナーとは、簡単に言うと「雰囲気や世界観のルール」のことです。
具体的には、次のようなポイントをSNSとWebサイトで合わせていく検討が必要です。
- 色使い(カラーリング) SNSの投稿画像でよく使っている色と、Webサイトのメインカラーを合わせることで、「同じブランドだ」という安心感が生まれます。
- 言葉の雰囲気(テキストトーン) SNSがフランクな語り口なら、Webサイトにも「スタッフブログ」や「お客様の声」など、少し柔らかい言葉を使ったページを用意して、親近感を維持させます。
- 写真のテイスト SNSで明るく加工した写真を使っているなら、Webサイトの写真も同じようなトーンに調整します。
これらを整えることで、お客様は違和感なく情報を読み進めることができます。「一貫性」があることは、企業への信頼感にも直結する大切な要素だと考えます。

全面リニューアルしなくても
改善は可能です
「WebサイトとSNSを合わせるために、ホームページ全体を作り直さないといけないの?」
そう心配される担当者様もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、全体をリニューアルできれば理想的ですが、予算や時間の都合もあると思います。
そんな時は、以下のような部分的な改修でも十分に効果が見込めます。
- SNSから来た人専用のページ(LP)を作る
今のサイトはそのままで、SNSからのリンク先専用のページを1枚作り、デザインをSNSの雰囲気に合わせる方法です。 - トップページの一番上の画像だけ変える
Webサイトの顔となる「メインビジュアル」を変えるだけでも、印象はずいぶん近づきます。 - バナーで道案内を作る
Webサイトの中に、SNSで発信している内容と同じデザインのバナーを置いて、「情報のつながり」を分かりやすくします。

制作会社の役割:
点のデザインではなく「線の設計」を
私たち制作会社にご相談いただくメリットは、単にきれいな画像やWebサイトを作ることだけではありません。
「お客様がどこから来て、どんな気持ちでサイトを見て、どうすれば問い合わせボタンを押したくなるか」 そういった一連の行動(導線)を設計することも、私たちの役割です。
「SNSは運用できているけれど、Webサイトとの連携がいまいちな気がする」 「具体的にどこを直せばいいか分からない」
そんな段階からでも、ぜひお気軽にご相談ください。
現状のSNSとWebサイトを拝見し、「どこを調整すればギャップが埋まるか」「最小限のコストで効果を出すにはどうすれば良いか」といった視点でご提案させていただくことが可能です。
まとめ
SNSでの集客ができているということは、御社の商品やサービスには十分に魅力があるという証拠です。
その次に必要なのは、その興味・関心をスムーズに受け止めるための「整った受け皿」です。
WebサイトとSNSのデザイン連携を見直すことで、これまでの「いいね」を、確実な「お問い合わせ」へと変えていくことができます。
デザインやWeb制作に関するお悩みがありましたら、いつでもご相談いただければと思います。