「想い」を共感に変えるSNS発信術。中小企業が取り組むべきビジョン伝達のポイント

「自社のSNSで経営理念やビジョンを発信しているのに、いまいち反応が薄くて」
「うまく伝わっている感じが手応えがないんです」

最近、広報担当の方や経営者様から、このようなご相談をいただくことがありました。

会社の指針や経営者の思いを伝えることは、ファン化を促す視点でも非常に重要です。反応が薄かったり手応えがないと感じる場合、もしかしたら「伝え方の翻訳」がほんの少しだけズレているだけかもしれません。

今回は「SNSで企業のビジョンを正しく伝えるポイントとファンを増やすためのコツ」についてお話しします。


なぜSNSで「ビジョン」を語る必要があるのか

モノやサービスが溢れている時代になり、機能や価格だけで商品を差別化することが難しくなりました。お客様は「何を買うか」だけでなく、「どんな想いを持っている会社から買うか」を重視するようになっています。

特にSNSは、企業の「人間味」が見えやすい場所です。 そこで語られるビジョンは、単なるスローガンではなく、お客様がその会社を信頼し、ファンになるための大切な判断材料になります。


共感を生む発信にするための「伝え方の工夫」

ビジョンや理念という言葉はとても強いエネルギーを持っています。そのためそのままSNSに投稿しても「どこか遠い世界の話」として受け流されてしまいがちです。

大切なのは、企業側が言いたいことをそのまま発信するのではなく、「受け手であるお客様の目線」に立って情報を整理することです。

抽象的なビジョンを「共感」へと変えるための具体的な3つのポイントをご紹介します。

1. 相手の日常に馴染む「言葉」に変える

企業のビジョンや経営理念は、社外の方には少し硬く、抽象的に聞こえてしまうことがあります。 SNSという日常的な場では、その言葉を「お客様にとってどんな良いことがあるか」という視点で言い換えてみることが大切です。

専門的な表現をそのまま使うのではなく、受け取った相手が「自分の生活に関係があることだ」と直感できる言葉に置き換えることが、共感への第一歩になります。


2. 「結果」だけでなく「プロセス」を共有する

完成された理念を掲げるだけでなく、その想いを実現するために「日々どのような行動をしているか」という過程を発信することが効果的です。

  • 商品開発の裏側にある苦労
  • サービス向上に向けた社内での議論
  • ビジョンを体現している社員の日常

このように、ビジョンの背景にある「ストーリー」が見えることで、言葉に説得力が生まれ、信頼感のあるブランドへと育っていきます。


3. ビジョンの「温度感」をデザインで統一する

素晴らしい言葉を綴っても、投稿画像の雰囲気やフォント(書体)がその想いと合っていなければ、読み手に違和感を与えてしまいます。

「誠実さ」を伝えたいなら落ち着いた配色や整ったレイアウトを使う、「親しみやすさ」なら温かみのある色使いや柔らかな書体を使うなど、 視覚的なトーンを一定に保つことで、言葉の意味はより正しく、深く伝わるようになります。


全面リニューアルしなくても、できることがあります

ビジョンの発信を強化するために、必ずしもホームページを全面リニューアルする必要はありません。

  • プロフィール欄の紹介文を少し書き換える
  • 投稿画像に使う色のルールを決める
  • 月に一度、想いを語る投稿を固定す

こうした部分的な改善を積み重ねるだけでも、SNSの反応は確実に変わっていくと思います。


制作会社は、あなたの想いの「伴走者」です

制作会社は単にデザインを作るだけの作業代行ではなく、御社の想いをどう形にすれば届くのか、という「設計」の段階からサポートするパートナーです。

「自社の魅力をうまく言葉にできない」
「掲げている想いと、今のデザインにギャップを感じる」

そんなときは、第三者である制作会社の視点をぜひ取り入れてみることがおすすめです。企画や言語化の段階から整理をお手伝いさせていただくことで、見えてくる解決策があると考えています。


まとめ

SNSで企業のビジョンを届けるためには、「伝わりやすい言葉選び」「日々のプロセスの共有」「世界観の統一」の3つが鍵となります。

自社の想いを正しく発信することは、未来のファンに出会うための大切な活動です。まずはSNSのプロフィールを見直すなど、小さな工夫から始めてみることがおすすめです。

制作会社として、あなたの会社が持つ素晴らしい想いが、デザインや言葉の力によってより多くの方へ届くお手伝いをさせていただけたらと思っています。