同業他社は見なくていい?自社のファンを増やす「疲れない」SNSリサーチ術

「SNSを始めたいけれど、デザインセンスがなくて」
「他社のインスタグラムを見ていると、きれいな投稿ばかりで落ち込んでしまう」

自社のことを一生懸命に伝えようと他社を研究するほど、「うちはあんなに綺麗に作れない」と気後れしてしまう担当者の方もいらっしゃるかもしれません。

でも実は小規模ビジネスが参考にすべきなのは、プロのような「洗練されたデザイン」ではなく、「お客様との距離感」や「空気感」です。

今回は「自社の想いが伝わる参考アカウントの見つけ方」についてお話しします。


「見た目」ではなく「距離感」を真似する

参考アカウントを探す際、どうしても「写真の色使い」や「フォントのデザイン」といった表面的な部分に目が行きがち。

しかし、私たちが見るべきポイントはそこではなく、その投稿から感じる「お客様との心理的な距離の近さ」に注目してみることが大切になります。

たとえば、こんな視点です。

  • 写真の視点: 商品をカタログのように綺麗に撮るのではなく、「使っている人の手元」や「社員が働いている横顔」など、日常の空気感を切り取っている
  • 背景の生活感: あえて工場の作業場や、オフィスのデスクなど、飾らない場所を背景にしている

完璧に整えられた写真は、時に「広告」のような冷たさを感じさせてしまうことがあります。

逆に、少し手作り感がある写真のほうが、「あ、本当に人がやっているんだな」という人間味(温度感)が伝わり、お客様に安心していただけることが多いと言われています。


文章の「語り口」から温度感をもらう

次に注目したいのは、文章(キャプション)の書き方です。 ここにも今すぐ真似できるヒントがたくさん詰まっています。

なんとなく「いいな」「好きだな」と感じるアカウントの文章は、教科書のような説明文ではなく「書き手の人柄」が見えていると思います。

  • 呼びかけ: 不特定多数への「みなさん」ではなく、「〜でお困りの方へ」と一人に語りかけている
  • 感情の開示: 「嬉しかったです」「実は失敗しちゃいました」と、本音や裏話が混ざっている
  • 文末の優しさ: 「〜です!」と言い切るだけでなく、「〜ですよね」と読み手に寄り添っている

「読んでいてホッとする」と感じた文章の「温度感」を、ぜひ参考にしてみてください。


「自分たちと似た境遇」のアカウントを探す

また意外かもしれませんが、同業種のライバルや大企業のアカウントを見すぎないことも大切です。

有名な大企業は、予算をかけてプロが運用していることが多く、真似をしようとすると疲弊してしまいます。

おすすめなのは、業種が違っても「会社の規模感」や「大切にしている想い」が似ているアカウントを探すこと

  • 地元の商店街のパン屋さん
  • 地域密着の工務店さん
  • 家族経営の町工場さん

こういった方々の発信には、「等身大の言葉」があふれています。

「うちはこういう温かい会社でありたい」と思える空気をまとったアカウントを、異業種からも探してみてください。


まとめ

SNSの正解は一つではなく 「洗練されたデザイン」が正解の会社もあれば、「泥臭く、人間味を見せること」が最大の魅力になる会社もあります。

スマホを見るときに「デザインがすごい」ではなく、「なんとなく雰囲気が好きだな」と思う投稿を見つけてみることで、これから発信していくべき「らしさ」のヒントが見つけられるのではないかと思います。