「ChatGPTや画像生成AIが話題になっていて使ってみたい気はあるんですが、変な文章になったり炎上したりするのが怖いです。」
「結局全部自分で考えていて、投稿にすごく時間がかかるんです」
新しい技術を取り入れるのは勇気がいりますし、何より「お客様に失礼があってはいけない」「変な情報を発信して信用を失いたくない」という責任感があるからこそ、AIの活用には慎重になると思います。
今回は制作会社の視点から、AIを「頼れる助手」として使うための、賢い役割分担についてお話ししたいと思います。

AIは「優秀な新人アシスタント」と考える
AI(人工知能)を私たちの仕事にどう組み込むかについて、料理に例えて考えてみます。
- AIの役割=「野菜の皮むき・千切り」
- 人間の役割=「味付け・盛り付け」
もし、レストランでシェフが一日中「玉ねぎの皮むき」だけをしていたら、「もっと料理の創作に時間を使った方がいいのでは?」と思いますよね。 SNS運用も同じです。
AIは、大量のデータから情報を集めたり、文章のたたき台を作ったりする「単純作業・パターン出し」が得意です。ここにAIを使うことで、人間は本来注力すべき「お客様への想い」や「企画」に時間を使えるようになります。

AIに任せていいこと(効率化ゾーン)
具体的に、どのような作業ならAIに任せても安心なのでしょうか。
- ネタ出しの壁打ち相手: 「夏のセール企画、インスタ向けのアイデアを10個出して」と頼むと、数秒でリストアップしてくれます。
- キャプション(文章)の土台作成: 「この箇条書きの内容を、30代女性向けに親しみやすい文章にして」と指示すれば、70点くらいの文章を作ってくれます。
- ハッシュタグの選定: 関連するキーワードや、トレンドのタグを候補として挙げてもらう作業。
これらは、人間がやると30分〜1時間かかる作業ですが、AIなら数十秒で作業が終わります。 ここで生まれた余裕を、次の「人がやるべきこと」に充てるべきだと考えます。

「人」が手を加えるべきこと(信頼ゾーン)
一方で、AI任せにしてはいけないポイントがあります。
① 「事実確認」と「責任」
AIは時々、もっともらしい嘘(ハルシネーションと言われます)をつくことがあります。情報の正誤チェックは、必ず人間の目で行う必要があります。
② 「温度感」と「ストーリー」
「創業者の想い」や「お客様との感動エピソード」など、熱量や文脈が必要な部分は、AIにはまだ書けません。AIが書いた綺麗なだけの文章に、担当者様の言葉で「人間味」を足す作業が不可欠です。
③ 「デザインの違和感」の修正
画像生成AIは進化していますが、まだ「指の数がおかしい」「日本人の感性とは少し違う色使い」といった違和感が出ることがあります。 そのまま出すと「これAIで作った画像だな」と見抜かれ、「誠実でない会社」という印象を持たれかねません。

制作会社は「AI」と「プロの技術」のハイブリッド
私たち制作会社でも、AI技術は積極的に活用しています。 しかし、それはあくまで「効率化」のためであり、最終的なクオリティを決めるのはプロのデザイナーとライターの目です。
- AIでアイデアを100個出す。
- プロの経験で、その中から「御社に合うベストな1個」を選ぶ。
- AIで画像素材を作る。
- プロの技術で、違和感を修正し、文字を読みやすくデザインする。
このように、「AIのスピード」と「プロの品質管理」を組み合わせることで、コストを抑えながら質の高いクリエイティブを提供することが可能になります。
まとめ:「最後のひと手間」で差をつける
AIに単純作業を任せて、浮いた時間で「お客様への返信を丁寧にする」「商品をもっと魅力的に見せる工夫をする」ことこそが、本来の広報担当者の仕事であり、企業の価値を高める行動です。
最新ツールと人間の温かみの両方をうまく使って、無理なく成果が出るSNS運用を一緒に目指していけたらと思います。