「セールスライティングが苦手」な方へ。制作現場がたどり着いた「親切な案内」という考え方

「セールスライティング」という言葉に、どのようなイメージをお持ちでしょうか。

どこか「うさんくさい」と感じていたため、正直なところ、私はずっとこの言葉が苦手でした。 理由はマーケティング用語として使われることが多く、言葉巧みに誘導して無理やり買わせるテクニックのように感じていたから。

「良いクリエイティブを作って届けたい」と考えれば考えるほど、そうした「売るための技術」に対して、心のどこかで抵抗感を持っていました。

しかし、多くの案件に関わる中で気づいたことが、視点を「売る側」から「困っている側」に変えたとき、その役割がまったく違って見えたのです。

そこで今回は、制作会社の視点からたどり着いた考え方をもとに、セールスライティングの基本について改めて解説したいと思います。


「親切な案内」だと定義する

テクニックの話をする前に、最も重要な前提があります。セールスライティングとは、困っている人に情報を正しく届けるための「親切な案内」です。

例えば、あなたが深い悩みを抱えていて、解決策を必死に探しているとします。 情報が溢れすぎていて、どれを選べばいいかわからない状況。

そんな時、目の前に「あなたの悩みはこれで解決できます」「なぜならこういう理由があるからです」とわかりやすく書かれた案内があったらどうでしょうか。

これは「押し売り」ではなく、迷っている人への「親切な案内」です。

逆に、変に遠慮したり、かっこつけたりして解決策をわかりにくくすることの方が、よほど不親切ではないでしょうか。

「売りたい」という欲ではなく、「役に立ちたい」という思いがすべての基本です。


「誰」を助けたいのかを明確にする

「親切な案内」だと定義すると、ディレクションの方針もシンプルになります。 まず決めるべきは、「誰を助けたいのか」を明確にすること。

「誰でもいいから見てほしい」という考えは、誰の役にも立たないことと同じ。 例えば、「お腹が空いている人へ」と書くよりも、「今の仕事が忙しくて、5分で昼食を済ませたい人へ」と書いた方が、その状況で困っている人にとっては救いになります。

ターゲットを絞ることは、顧客を減らすことではなく「これは私のための情報だ」と気づいてもらうための、最初の親切だと思います。

だからこそ私たちは、制作に入る前に「誰に向けたものですか?」と丁寧にヒアリングしています。


「どうなれるか」を具体的に約束する

次に必要なのは、その商品やサービスを使うと「どうなれるか」を伝えること。 専門用語ではこれを「ベネフィット」と呼びますが、難しく考える必要はありません。

ユーザーが求めているのは、商品そのものではなく、悩みが解決されたあとの未来。 「高機能な掃除機」を売るのではなく、「掃除の時間が半分になって、自分の時間が増えること」を提案します。

相手の悩みに寄り添い、「あなたの未来はこう変わりますよ」と具体的に約束してあげること。 これもまた、ユーザーを安心させるための重要な基本です。


デザインもライティングも目的は同じ

私たちイメージバナーが制作現場で意識しているのも、まさにこれらの基本です。

「かっこいいWebサイト」を作ることは、目的ではありません。それは手段にすぎず、目的は情報を必要としている人に、ストレスなく届けることです。そのために、あえて泥臭いデザインにすることもありますし、おしゃれな装飾よりも読みやすさを優先することもあります。

もし自社のアピールに「申し訳なさ」を感じてしまっているなら、「困っている人を放っておけない」と考えてみてください。 そうすれば、それは単なる売り込みではなく、相手への「親切な案内」に変わります。

あなたが持っているその「解決策」を、必要としている人に正しく届けるのが私たちの仕事。「売り込み」に見えない、けれどもしっかりと伝わる、そんな誠実なデザインと言葉を、制作会社として提案し続けたいと思います。