最近では、UnsplashやPexelsなどのフリー素材サイトが充実し、誰でも手軽にクオリティの高い写真を使える時代になっており、Canvaなどの無料ツールを組み合わせれば、ある程度整った広告や資料も作成できます。
こうした手軽さは、スピードやコストの面で大きなメリットがありますし、社内で制作を完結できるのは嬉しいポイントだと思います。
でも、ときどきこんな声も耳にします。
「なんとなく安っぽく見えてしまう」
「自分たちらしさが出ない」
「他社と似たような印象になってしまう」
その原因のひとつが、実は“写真選び”にあることが少なくありません。
今回は、制作会社として多くの広告に関わってきた私たちの視点から、写真の影響や選び方のポイントについて、無理なく活用できる工夫も交えてお話ししてみます。

フリー素材の“便利さ”と“惜しさ”
まずお伝えしたいのは、フリー素材自体が悪いわけではありません。
構図や色味が整っており、無料で使えるという意味でも非常にありがたい存在です。
ですが、制作の現場でよく目にするのが、以下のような“惜しい使い方”です。
- 人気の素材を選びすぎて、他社と似た印象に
- 人物や背景が日本の文化やターゲット層とズレている
- 同じ資料内で写真のトーンがバラバラ
これらが、結果的に「なんとなく伝わりにくい」印象につながってしまうこともあると感じています。
写真ひとつで変わる、“伝わり方”
デザインには、情報を整理する機能のほかに、空気感や価値観を伝える力もあり、その中でも写真はその印象を大きく左右します。
- 統一された写真は、“丁寧な企業姿勢”に見える
- 見る人の生活に近いビジュアルは、共感を呼びやすい
- 世界観のある写真は、ブランドを印象づける要素になる
伝える相手のことを考えて、写真の選定や構成に少しだけ工夫を入れると、デザイン全体の「伝わりやすさ」がグッと高まります。

プロ撮影=高コスト?
実はもっと気軽に相談できます
「自分たちでやるしかない」
「プロに頼むと高そう」
と感じるかもしれません。
でも実際には、私たちのような制作会社に一部だけ頼るという方法もあります。
たとえば、
- 既存素材の選び方を一緒に考える
- トーンが揃うように簡単なレタッチだけお願いする
- 撮影が必要なら、必要な分だけ撮ってもらう
といった、「一部だけプロに見てもらう」スタイルも大歓迎です。
私たちは「全部お任せください」ではなく、「一緒に伝わる形をつくる」伴走パートナーでありたいと思っています。

自作でも、少しの視点でぐっと良くなる
もちろん、自社でつくるからこその良さもたくさんあります。
現場をいちばん知っているのは、やっぱり皆さん自身であり、私たちができるのは、そこに“ちょっとだけ視点を加えること”だと思っています。
- この写真で伝えたいことは伝わっているか?
- トーンは揃っているか?
- 情報が届きやすい構成になっているか?
そうした視点からアドバイスさせていただくだけでも、制作物の伝わり方は確実に変わってくると考えます。

まとめ:伝えることに、もっと安心を
「写真の印象が不安」
「デザインが伝わっていない気がする」
そんなときは、ぜひ一度、制作会社に声をかけてみてください。
無理に全てを任せなくても大丈夫で、必要なところだけでも、一緒に考えていければと思っています。