公式LINEの定型文が冷たすぎる問題。「自動化」に体温を宿す、ステップ配信のシナリオ設計術

「公式LINEアカウント、とりあえず開設しておきました」

社内のプロジェクトやクライアントワークで、そんな報告を耳にする機会が増えてきました。

「今はLINEが主流だから」
「メルマガよりも開封率がいいから」

そんな理由で設置されたアカウントは、確かに機能としては正しいのかもしれません。

でも、実際に登録してみると送られてくるのは「友だち登録ありがとうございます」という無機質な定型文だけの場合も多く、「これでは、せっかく興味を持ってくれた方に、冷たい対応をしてしまっているのではないか」と感じていました。

そこで私たちが取り組んだのが「LINEステップ配信」の工夫。

今回はステップ配信を作り込む中で気づいた「自動化ツールに体温を宿すための工夫」についてお話しします。


「何を売るか」の前に、「誰なのか」を深掘りする

ステップ配信を作ろうとすると、どうしても「1通目で何の商品を紹介しよう」「3通目でクロージングをかけよう」といった、売るための導線設計に意識がいきがちです。

しかし、実際に私たちが一番時間とエネルギーを使ったのは、シナリオを書く前の「理念の深掘り」でした。

  • 私たちは、なぜこの仕事をしているのか。
  • どんな想いで、日々制作に向き合っているのか。

ここを飛ばして書いた文章は、どんなに上手なセールスライティングを使っても、どこか空虚で「借り物」のような言葉になってしまいます。

自分たちの根っこにある想いを言語化し、それをストーリーとして届けることで、LINEは単なる「販促ツール」から、読み手との「信頼関係を築く場所」へと変わっていくのだと思います。


「余白」は、相手への思いやり

想いを込めた文章ができたら、次はそれを「どう届けるか」。 ここで私たちが大切にしたのは、スマホの画面越しにいる相手への想像力でした。

パソコンで書いた文章をそのまま配信すると、スマホの小さな画面では文字がぎっしりと詰まって見え、読み手に無意識のストレスを与えてしまいます。

「ここで改行を入れたら、息継ぎがしやすいかな」
「この空白があったほうが、次の言葉がスッと入ってくるかな」

そんなふうに、読み手の呼吸に合わせて「余白」や「絵文字」をデザインしていく作業は、制作現場でクリエイティブを調整する感覚とよく似ています。

適切な余白を作ることは、単なる見栄えの問題ではなく、「忙しい中で読んでくれている相手への敬意」そのものなのかもしれません。


「売り込まない」という勇気を持つ

ステップ配信を作る中で私たちが決めた一番のルールは「売り込みすぎないこと」です。

せっかくの配信なのだから、つい自社のサービスをアピールしたくなりますが、まだ信頼関係もできていない相手に強く営業をかけると、きっとブロックされて終わりです。

「売る」ことよりも、「私たちの想いを知ってもらう」ことが大事だと割り切って構成した文章は、結果として、定型文を流していた頃よりもずっと強く、私たちの理念をお客様に届けてくれるようになりました。


まとめ:自動化だからこそ、人の体温を

ステップ配信は「自動化」できることが最大のメリット。

でも、だからこそ、そこに「人の体温」が乗っているかどうかが、受け取り手には敏感に伝わってしまいます。

もし、あなたの管理している公式LINEが、まだ「誰が書いたか分からない定型文」を喋っているのなら、一度立ち止まって、自分たちの言葉で語りかけてみるのがおすすめです。

「きれいな文章でなくても、想いは伝わる」と信じて書いた手紙のほうが、整った営業トークよりも、ずっと深く誰かの心に届くことがあると感じています。