お客様のお手元に届く、大切なダイレクトメール(DM)。 そこに、「詳しい情報はこちら」とホームページやSNSのQRコードを添えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、後でアクセス数を確認してみると「思ったほど、紙からスマホに来てくれていない…」と、期待とのギャップを感じることはありませんか?
その原因は、お客様がスマホの操作に不慣れだから、とは限りません。
もしかすると、「QRコードの先になにがあるのか分からないから、不安で開けない」だけかもしれません。
今回は、紙のDMからSNSへお客様を案内するための「ちょっとした工夫」についてお話しします。

ただ貼るだけでは、お客様は「不安」を感じる
知らない街を歩いていて、看板も何もない真っ黒な扉があり、ただ「ここに入ってください」とだけ書かれていたら、怖くてドアノブには触れられませんよね。
説明不足のQRコードは、お客様にとってこの「行き先の分からない扉」と同じように映ってしまうことがあります。
- 「変なサイトに繋がるんじゃないか?」
- 「面倒な登録をさせられるんじゃないか?」
- 「自分には関係のない情報じゃないか?」
特にスマホの操作に不慣れなお客様は、私たちが思っている以上に、QRコードを読み込むことに心理的なハードルを感じています。
ただQRコードを印刷するだけでは、どんなに有益な情報を用意していても、アクセスしてもらえる可能性は低くなってしまいます。
「出口」を伝えるだけで、安心感は変わる
QRコードのすぐそばに、「読み込むと具体的に何が表示されるのか」を明記してください。 行き先が分かるだけで、お客様は安心してアクセスできるようになります。
たとえば、このような一言を添えるのが効果的です。
Before: 「詳細はこちら」
After: 「スマホをかざすと、今月の『会員様限定クーポン』の画面が開きます(登録不要です)」
Before: 「動画も公開中」
After: 「社長が『開発の裏話』を語る、1分間の動画が見られます(音声が出ます)」
「行き先」と「自分にとってのメリット」がハッキリすると「それなら見てみようかな」という安心感が生まれます。
お客様が感じる小さな不安を先回りして解消してあげることが、デジタルへの誘導のポイントです。

SNSへの誘導には、「見る理由」が不可欠
特に、InstagramやLINEなどの「SNS」へ誘導したい場合は、もう一工夫が必要です。
ホームページと違い、お客様は「わざわざ企業のSNSを見るメリット」を直感的に理解しづらいからです。ただ「フォローしてください」と伝えるだけでは、なかなか行動には繋がりません。
SNSのQRコードには、「そこでしか得られない価値」をハッキリ提示することが大切です。
悪い例: 「Instagramやっています。フォローお願いします!」
良い例(飲食店の場合): 「その日の『日替わりランチ』の写真を、毎朝10時にお届けしています!」
良い例(製造業・BtoBの場合): 「カタログには載せられない、工場の『職人の手仕事』動画を公開中。スタッフの意外な素顔も見られるかも?」
ただお願いするのではなく、「見ないと損だ」「なんだか楽しそう」と思えるような具体的な理由を添えてみてください。

まとめ
デジタルへの誘導といっても難しい技術が必要なわけではなく、 大切なのは「お客様を迷子にさせない」という、想像力と思いやりです。
次にDMを作るときは、QRコードの横に「ここを開くと、こんな良いことがあります」という一言を添えてみてください。
その小さな親切が、紙とデジタルの垣根を超えて、お客様と深くつながるきっかけになるはずです。