デザインに正解はある?迷ったときの判断軸と考え方

「このデザイン、これで正解なのかな…?」
広告や販促物をつくっていると、そんなふうに迷う場面があると思います。

色やフォント、レイアウトなど、見た目に関わる判断はとても主観的ですし、
「もっといいパターンがあるかも」と感じてしまうと、なかなか決めきれなくなることもありますよね。

私たち制作会社も、お客さまから「結局、何が正解なんですか?」と聞かれることがあります。
正解とはまではもちろんいきませんが、今回はデザインに迷ったときの考え方について、私たちが日々の現場で感じていることをお話しできればと思います。


「正解はひとつではない」というのが
現場の実感です

デザインには、ある程度の理論やルールが存在します。
たとえば、情報の優先順位を整理したり、視線の流れを意識したりすることは、成果に直結する“設計”の部分です。

ただ、それだけでは語れないのがデザインでもあります。

見る人の年齢や好み、伝えたい内容、媒体の特性など、いくつもの要素が関わってくるため、「これが100%正しいデザイン」と言い切ることは、実は難しいのです。

その代わり、「この目的に対しては、今の段階でこれがベストだと思える」という納得感が、私たちの中では実用的な正解に近いと感じています。


「好み」と「目的」を切り分けて考える

デザインを見たときに、「この色は好き」「ちょっと好みじゃないかも」など、
第一印象として「好み」が強く出てくることは自然なことです。

でも、広告や販促物のデザインにおいては、
「目的に合っているか」という視点も忘れずに持っておくと、迷いが少なくなっていくと思います。

たとえば、

  • 「若い女性向けのサービスなら、明るく軽やかな色合いが伝わりやすいかも」
  • 「BtoBの会社案内なら、信頼感や落ち着きを表現した方が良さそう」

といったように、「誰に、何を伝えるためのデザインか」を考えると、
自分の好みとは違っていても、「これでいい」と納得できる場面も出てくるのではないでしょうか。


判断に迷ったときの“3つの軸”

実際の制作の現場でも、「どれがいいか決められない…」と感じたときには、以下の3つの視点で見直すことが多いです。

① ターゲットから見てどうか?

  • 自分ではなく「届けたい相手」の目線で見てみる
  • 年齢、性別、好み、利用シーン…相手にとって親しみやすいか、伝わりやすいか?

② 情報の伝わりやすさはどうか?

  • 大事な情報が埋もれていないか
  • 読み手が“何をすればいいか”が明確になっているか

③ ブランドとして一貫性があるか?

  • 自社の印象、トーン、他の媒体との統一感はどうか?
  • 「会社らしさ」や「お店の雰囲気」が伝わっているか

これらの視点で見直してみると、「なんとなく迷う」状態から少しずつ軸が見えてくることがあります。


不安なときは「言語化」してみる

「なんかしっくりこないけど、理由がうまく説明できない」
そんなときって、実はよくあります。

そのモヤモヤを、できるだけ言葉にしてみることがとても大切だと思います。

たとえば、

  • 「ちょっと固く見えすぎる気がする」
  • 「もう少し明るい印象がいいかも」
  • 「この部分の強調を変えてみたらどうだろう?」

など、感覚でもOKなので、感じたことを率直に伝えていただけると、方向性が見えてきやすくなります。

私たち制作会社としても、その感覚を一緒に言語化しながら、
「何に違和感があったのか」「どうすればもっと伝わるか」を探していくことが多いです。


「正解」よりも
「納得感」が大切かもしれません

デザインには、ひとつの決まった正解があるわけではありません。
けれど、「誰に」「何を」「どう伝えるか」という目的に合った設計がされていて、関係者全員が納得できる形になっていれば、それは十分に正解と言えるのではないかなぁと思っています。

判断に迷ったときこそ、「ターゲット」「情報の伝わりやすさ」「ブランドとの一貫性」といった視点で立ち止まってみると、きっとブレにくい判断ができるようになると思います。

私たち制作会社も、「正解探し」を一緒にするのではなく、
「納得できる選択肢」を一緒につくっていけるパートナーでありたいと考えています。