「デザインはほぼ完成しているのに、社内の確認に時間がかかってしまう…」
そんな経験をされた方は少なくないと思います。
承認作業が長引くと、制作スケジュール全体に遅れが出たり、修正回数が増えて追加費用が発生したりすることも。逆に、承認フローがスムーズだと、制作会社も安心して作業を進められ、結果的に納得度の高い仕上がりにつながります。
今回は、依頼者側で準備しておくことで確認作業を効率化できる「5つのコツ」を、具体例とあわせてご紹介します。

1. 最初に承認フローを決めておく
社内承認が滞る原因の多くは、「誰が」「いつ」確認するのかが曖昧なこと。
最初の段階で、承認の流れを明確にしておくことが大切です。
例:
- 初稿:担当者と広報部長で確認
- 修正版:担当者のみ
- 最終稿:役員承認のみ
こうしたルールを決めておくことで、「誰に回すべきか迷う時間」や「戻ってきたけれど順番が違ってやり直し」といった無駄がなくなります。

2. 判断基準を共有しておく
修正指示が増える理由の一つに、「何を基準に見るべきかが社内で統一されていない」というケースがあります。
なんとなく気になるから…という理由では、いつまでも承認に至らないことも。
事前に共有したいチェックの観点
- ブランドの世界観に合っているか
- ターゲット層に適したトーンか
- 誤字・脱字がないか
- 情報や数値が最新で正確か
- レイアウトや画像に違和感がないか
こうした判断基準を関係者で共有しておけば、意見がぶつかっても「基準」に立ち返って話し合えるため、承認までが早くなります。

3. 修正の意図をまとめて伝える
制作会社として困るのが、「Aさんはこう言っているけど、Bさんは真逆の意見」というケース。複数の意見がバラバラに届くと、どれを優先すべきか判断が難しく、結果として修正回数が増えてしまいます。
ポイント
- 社内で意見を集約してから制作会社に依頼する
- 修正理由を添える(例:「より読みやすくするため」「ブランドカラーに合わせるため」)
- 修正箇所を資料やスクリーンショットで明確に示す
こうすることで、制作側は意図を正しく理解し、短時間で正確な修正ができます。

4. チェックの期限を決める
「忙しくて確認が後回し」になってしまうのはよくあることですが、納期への影響は大きくなりますので、社内チェックの期限をあらかじめ設定し、スケジュール表に明記しておくことが有効です。
例:
- 初稿確認:2営業日以内
- 最終稿確認:1営業日以内
期限を明確にすることで、関係者が「今はこの確認を優先しよう」という意識を持てるようになります。
5. 軽微な修正はまとめて依頼する
「この1文字だけ修正してほしい」
「この色味を少しだけ変えてほしい」
という依頼が数日にわたって続くと、作業効率が大きく低下します。
軽微な修正はまとめて依頼すると、制作側も作業時間を効率的に確保でき、結果として納期短縮にもつながりますし、修正依頼はできる限り1回分のメールやチャットにまとめ、箇条書きで伝えると見落とし防止にもなります。
まとめ|事前準備で承認スピードは変わる
社内でのデザインチェックは、「誰が」「いつまでに」「何を確認するか」を明確にし、意見を整理してから制作会社に伝えるだけで、大幅にスピードアップできます。
スムーズな承認フローは、納期を守るだけでなく、修正の質を高め、完成度の高いデザインを仕上げるためにも欠かせません。
依頼前に、この5つのコツを頭の片隅に置いておくと、進行がスムーズになると感じています。