「真似」はパクリじゃない?中小企業のWeb発信を加速させる「守破離」の法則

「他社のホームページを参考にするのは、なんだか手抜きをしているようで気が引ける……」
「オリジナルのアイデアが出ない自分は、センスがないのだろうか?」

広報や情報発信を任されたばかりの担当者様から、こうしたご相談もいただきます。

真面目に自社と向き合っているからこそ、「他社の真似」に抵抗を感じてしまうのは当然のこと。しかし、ビジネスにおいて「正しく真似る」ことは、自社の想いをいち早く市場に届けるための、合理的な戦略だと考えています。

今回は、真似る罪悪感を「前向きなエネルギー」に変えるための、具体的な考え方についてお話しします。


「何を書けばいいのか」という
迷いを断ち切るために

私たちはつい、「新しくて斬新なものこそが良い」と考えがちですが、ゼロからすべてを生み出そうとすると、膨大な時間と労力がかかってしまいます。

「型」がない状態で進むのは、地図を持たずに見知らぬ土地を歩くようなもの。

  • 白い画面を前に、何時間も手が止まってしまう
  • 自己流で作った結果、誰にも届かずコストだけがかさむ

こうしたリスクを避けるために、すでに成果が出ている他社の「型」を参考にすることは、経営資源(時間・資金)を無駄にしないための賢い選択だと言えます。


成長を加速させる3ステップ
「守・破・離」

日本には、芸事や武道の習得プロセスを示す「守・破・離(しゅ・はり)」という言葉があります。
これは、現代のビジネスにおける情報発信にもそのまま当てはまります。

【守(しゅ)】:まずは徹底してお手本を模倣する

まずは、自社が理想とする他社の「形」をそのまま取り入れ、文章の構成を参考にしたり、写真の選び方や更新の頻度を意識したりすることから始めてみます。

「なぜこの発信は読みやすいのか?」という理由を分析しながら、まずは基本の型を身につけることが大切。

【破(は)】:自社の強みを「ひとさじ」加える

型が身についてくると、自社ならではのこだわりやエピソードを混ぜる余裕が生まれますので、基本の構成は守りつつ、内容に自社独自の視点を加えることで、少しずつ他社との差別化を図っていきます。

【離(り)】:唯一無二のブランドを確立する

この段階になれば、お手本がなくても自然と自社らしい発信ができるようになり、発信時には、すでに「真似」を超えた、独自の価値を持つようになっています。


「形」は真似ても、「想い」は真似できない

真似をすることのリスクとして、「他社と同じになってしまうのではないか」という不安があるかもしれません。

しかし、どれだけ表面的なデザインや文章構成を参考にしても、貴社がこれまで積み上げてきた歴史や、お客様への姿勢までコピーすることは不可能です。

  • 「型」を借りて、まずは情報を外に届ける土台を作る
  • 「中身」で、自社ならではの人間味や想いを表現する

この順番で進めるのが、最も効率的に、かつ「自社らしさ」を損なわずに成功させるルートです。


まとめ

一からすべてを生み出そうとする苦しみから解放されることは、発信を継続するための重要な戦略。「型」という土台があるからこそ、そこに込める「自社ならではの想い」に集中できるようになります。

まずは、「伝わる楽しさ」を実感すること。その小さな成功体験こそが、自社らしさを磨き上げるための、第一歩になります。