「この前のチラシと色が違う」「パンフレットとWebサイトで雰囲気がバラバラ」──そんな声を耳にしたことはありませんか?
実は、ロゴやフォントの統一感がないだけで、見る人に無意識の不安や混乱を与えてしまうことがあります。
大手企業では必ずといっていいほど「ブランドガイドライン」が整えられていますが、中小企業ではまだ十分に浸透していないのが現状ではないでしょうか。
とはいえ、ほんの少し決まりを設けるだけで、広告や広報の印象は大きく改善できると思います。
今回は、「なぜ中小企業こそブランドガイドラインを持つべきなのか?」について考えてみたいと思います。

ブランドガイドラインとは?
ブランドガイドラインとは、企業の“見た目のルールブック”のようなものです。
「ロゴの色をどう使うか」「どのフォントを選ぶか」「写真のトーンをそろえるか」などをあらかじめ決めておくことで、どんな媒体でも一貫した印象を与えることができます。
特別に難しいものではなく、会社のイメージを統一するための整理帳と考えるとわかりやすいと思います。

一貫性が与える安心感
人は、繰り返し同じ色や書体を目にすることで「この会社だ」と自然に認識します。
たとえば病院の診察券・パンフレット・Webサイトのロゴがバラバラだと、患者さんは「本当に同じ病院?」と少し不安に感じるかもしれません。
逆に統一されていれば、「しっかりした印象」「信頼できる会社だ」というイメージにつながりやすいと思います。

中小企業にとってのメリット
「うちは小さい会社だから必要ない」と思われがちですが、実は中小企業だからこそガイドラインが役立つ場面は多いです。
- 広告や資料に統一感が出る
- 制作のたびに迷わなくて済む
- 広報担当が変わっても引き継ぎやすい
- 修正や作り直しが減り、コスト削減につながる
少しのルールを決めるだけで、社内外のやり取りがぐっとスムーズになるのではないでしょうか。

最低限そろえたい3つの基本
本格的な分厚いマニュアルでなくても、次の“3つの基本”を決めるだけで十分効果があります。
- ロゴの使い方
色や背景との組み合わせ、最小サイズなどを決める - 色(カラーパレット)
メインカラーとアクセントカラーを2〜3色に絞る - フォント(書体)
見出し用と本文用を統一する
これらをそろえるだけで、「どんなデザインも同じ会社らしい」と伝わりやすくなります。

制作会社に相談できること
「自分たちでまとめるのは難しそう」と感じるかもしれませんが、制作会社に相談すれば、過去の広告や資料を整理しながら無理のない形でルールを作ることができます。
- 既存デザインの統一感をチェック
- 最適な色やフォントを提案
- Webや印刷物など複数媒体に対応できるガイドラインを作成
外部の視点が加わることで、自社らしさを客観的に見つめ直すきっかけにもなると思います。

ブランドガイドラインは、大企業だけのものではありません。
むしろ中小企業や地域の病院・施設だからこそ、少しの工夫で大きな安心感を伝えられるのではないでしょうか。
完璧でなくても大丈夫です。まずは ロゴ・色・フォントの3つ をそろえるところから始めてみてください。
それだけで広告や広報の印象がぐっと良くなり、「信頼できる会社だ」と感じてもらいやすくなると思います。