「AIに情報をまとめてもらったけど、なんだかピンとこない…」
そんな経験はありませんか?
AIはたくさんの情報をすばやく整理するのが得意ですが、AIに投げる前の段階で情報がまとまっていないと、思ったような結果が出ないことが多くあります。
AIO(AI+人の共創)の時代では、“AIに渡す前の準備”が成果を左右する大事なポイントで、今回は制作会社の現場でも意識している「AIに任せる前に整えておきたい3つの視点」をご紹介します。

① 情報を「整理」する
まずは、AIに伝える情報を整理しておくこと。
これは基本ですが、意外と見落としやすい部分です。
たとえば、頭の中にあるアイデアをそのままAIに入力すると、AIも「どこに重点を置けばいいのか」がわからず、結果がぼやけてしまいます。
そんなときは、次の3つに分けてみるのがおすすめ。
- 事実:数字・データなど、動かない情報
- 意見:自分の考えや判断
- 感情:伝えたいニュアンスやトーン
この3つを分けておくだけで、AIの理解がぐっと深まります。
制作現場でも、ヒアリング内容をAIにまとめてもらうときは、「何のためのまとめなのか」を必ず一言添えています。
たとえば「社内共有用」や「提案書の下書き用」と伝えるだけでも、AIの出力がぐっと使いやすくなります。

② 「目的」を明確にする
次に大切なのは、“この結果をどう使うのか”をはっきりさせることです。
目的があいまいだと、AIは「どんな形でまとめるべきか」判断できません。
たとえば同じテーマでも、
- 企画書の骨子を作りたいのか
- プレゼンで話す要点を整理したいのか
- 社内で共有するメモにしたいのか
これらの目的によって、AIのまとめ方やトーンはまったく変わります。
AIOを上手に活用するためには、「誰に」「どんな目的で」「どう伝えたいのか」を最初に整理しておくことがとても大切で、これはAIを人の“代わり”ではなく、“相棒”として使うための第一歩だと思います。

③ 「優先度」をつける
AIは、渡された情報をすべて同じ重みで扱いますので、だからこそ人が「何を一番伝えたいか」「どこを削ってもいいか」を整理しておくことが重要になります。
たとえば、次のように印をつけておくと分かりやすいです。
- ★:絶対に入れたい要素(メインメッセージ)
- ☆:補足的に伝えたい要素
- △:削ってもいい要素
このように優先度をつけると、AIも「どこに力を入れるべきか」を判断しやすくなります。
制作会社でも、AIにデザイン案を出してもらう際は、最初に「どこを重視するか」を明示しています。
「ターゲットに伝わる温かみを重視」や「スピード感を意識した印象で」など、方向性を示すだけで、AIの提案精度は驚くほど上がります。
制作会社の役割
私たち制作会社の仕事は、デザインを“作る”だけではありません。
お客様の頭の中にあるイメージや想いを整理し、AIでも扱いやすい形に整えていくことも大切な役割です。
AIの力を最大限に活かすには、前提となる情報を人が丁寧に整えること。
その準備こそが、共創時代の制作における大切な一歩だと感じます。
まとめ
AIは、情報をすばやく整えるのが得意。
でも、“何を整理するか”を決めるのは、やっぱり人の仕事です。
情報を整理し、目的を明確にし、優先度をつける。
この3つを意識するだけで、AIとのやり取りがスムーズになり、結果の質も大きく変わってきます。
AIOとは、AIにすべてを任せることではなく、人が整えた情報をAIと一緒に磨くこと。
そんな共創の意識を持つことで、日々の仕事がもっと楽に、もっと楽しくなるのではないでしょうか。