“バズ”より“ベース”を整える|広告トレンドの裏にある“戦略の地盤”

「SNSで話題になったのに、すぐに反応が落ちてしまった」
そんな経験はありませんか?

一瞬の注目を集める“バズ”は確かに魅力的ですが、そこに頼りきってしまうと、発信が一過性で終わってしまうこともあります。

今、広告の世界では「継続的に信頼を積み重ねる発信」へと流れが変わってきており、その背景にある“広告の地盤づくり”について、制作会社の視点からお話ししたいと思います。


“バズ”が通用しなくなってきた理由

ここ数年、SNSを中心に「バズる広告」や「話題になる投稿」が数多く生まれました。
しかし実際には、「注目されたのに売上や問い合わせにはつながらなかった」という声も増えています。

理由はかんたんで、情報が多すぎて“一度見ただけ”では覚えてもらえなくなっているから。

人の心に残るのは、見た目の派手さよりも「どんな想いを感じたか」。
つまり、“何を伝えるか”よりも“どう伝わるか”が大切な時代になっているのだとと思います。


今の広告トレンドは“ベース”重視へ

最近のトレンドを見ていると、派手な演出や奇抜なコピーよりも、「誠実さ」「一貫性」「リアルさ」が重視されるようになっています。

たとえば──

  • 加工を控えた、自然なトーンの写真
  • 日常を切り取ったストーリー型の動画
  • きれいすぎない、リアルな言葉づかい

こうした“人の温度”を感じる発信が、信頼につながる時代。見た目の華やかさよりも、ブランドとしての“地盤”を整えることが重要になりつつあります。


“ベース”を整えるための3つの視点

① メッセージの一貫性を保つ

どんな媒体でも、会社として伝えたい価値がブレないことが大切
Webサイト・チラシ・SNS、それぞれのトーンや言葉が統一されていると、「この会社は信頼できそう」と感じてもらいやすくなります。

② 発信の“軸”を決める

「誰に、何を、どう感じてほしいか」を明確にすると、広告の方向が定まり、流行のデザインやキャッチコピーも、“軸”があるからこそ取捨選択できるものだと思いますし、その軸が決まれば、どんな媒体に展開しても、発信がぶれにくくなります。

③ “続けられる仕組み”をつくる

広告の成果は“継続”の中にあります。
たとえば、月1回の発信でも、定期的に更新することで「ちゃんと活動している会社だ」と印象づけることができますので、大切なのは、完璧にやることではなく、“無理なく続けられる形”を見つけることだと思います。


制作会社の役割

私たち制作会社の仕事は、デザインを作ることだけではありません。
お客様の想いや方向性を整理し、「どんな形なら長く伝わるか」を一緒に考えることだと思っています。

“ベース”を整える作業は、すぐに結果が出るものではありません。
けれども、その積み重ねがやがて“信頼されるブランド”という形で返ってくるはずで、だからこそ、焦らずに、丁寧に土台を築くことが大切だと感じています。


まとめ

広告のゴールは“話題になること”ではなく、“信頼を積み重ねること”。
そのためには、見た目の派手さよりも、発信の軸や仕組みといった“地盤”を整えることが欠かせません。

どんなに時代が変わっても、伝わる広告には共通して「誠実さ」があります。
トレンドを追うよりも、自社らしい発信のベースを育てていくことが、
これからの広告づくりにつながっていくのではと思います。